お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

Sponsored Link

外国人夫は焼魚NGという国際結婚の難しさ。それでも私は焼魚が食べたいのよ。

我が家の食卓はほぼ毎日肉料理がメインとなります。
外国人夫はもちろん、子供達も私も大のお肉好き。とにかくお肉をお腹いっぱい食べないと食事をした気にならないのです。
しかし、私も歳を重ねるごとに胃腸も若い頃のように働いてくれず、それに伴い嗜好が日本食に寄ってきてる近年。
たまには味噌汁に焼魚、香の物を添えでホカホカの白いご飯で晩御飯!なんてサザエさんちのような晩御飯を食べたくなることもあります。
ところが、我が家ではこの焼魚というのが問題なのです!



あれは遥か昔、外国人夫の頭にまだ髪がフサフサとしていた頃の話です。
ある日、家に一人でいた私はたまには魚でも食べよう!と、大きな秋刀魚を焼いて食べたのでした。
ところが、夜遅くに帰宅した外国人夫が玄関に一歩足を踏み入れるなり、「臭い!なんだ?このフィッシーな匂いは⁉︎」
そう大騒ぎし始めたのです。
「ああ、私が魚焼いて食べたからじゃない?」
大した問題でもないと思いそう答えた私に、「換気扇は回したのか?」「一体どんな魚を焼いたというんだ⁉︎」「臭くてたまらん!」と、普段は使わないようなFワードを連発しながら、家中の窓を開け不機嫌に悪態をついたのです。
いくら日本人だって、目の前で「F◯◯K!」「F◯◯K!」とやられたら、さすがにムカっときます。この態度が癇に障った私。
「自分の家で魚くらい食べたっていいでしょ!」
「ここは俺の家でもあるんだ!」
「じゃ、魚焼いちゃだめなの⁉︎」
「こんな酷い臭いのものを家の中で焼くのがどうかしてる!」
そんなことを言われても、都会の真ん中、しかもマンション住まいの身です。ベランダに七輪を置いて焼くわけにもいきません。
「外で焼いたら近所迷惑になるのよ!」
「だったら家の人間なら迷惑していいというのか!」
「それなら、大きな庭付き一戸建てでも買いなさいよ!」
「そういう問題じゃない!エチケットの問題だ!」
などとああでもない、こうでもないと口論を続けた末、面倒になった私は最後にこう言い放ちました!

「もう一生魚なんて焼かないし食べないわよ!それでご満足⁉︎」
「そう願いたいもんだね!」

以来、20年近く魚を家で焼くことはしませんでした。
元々魚よりお肉の方が好きだったので、魚が食べられないことはそれほどの苦痛にはなりませんでした。
食べたくなった時は、和食屋さんへ行ったり、仲良しのお友達に「焼魚食べさせて〜」とおねだりしたり、デパ地下であらかじめ焼いてあるものを買い、外国人夫の留守に子供達と食べたりと、不自由を感じることなく過ごしてきました。

しかし昨年、私はとうとう家で魚を焼きました!
出先でたまたまも鮭カマを見つけ、思わず買ってしまったんですね(笑)

鮭カマ、鰤カマには目がない私。気がついた時には手にしていたというわけです。
買ったからには食べないわけにはいきません。20年前に外国人夫に切った啖呵を忘れたわけではありませんが、食欲には打ち勝つことが出来ず、どうしたもんかと思っていたところ、娘達が一言。

「そんな昔の話、ダディが覚えてるわけないじゃん。あの人、今朝自分が言ったことすら覚えてないんだからさ」

「もし何か言われてもシカト、シカト!私達、日本人だも〜ん!」

あら、それもそうね〜。これまで私ったら我慢なんてしちゃって損したわ!
などと思いながら大量の鮭カマを一気に焼いて、子供達と美味しい!美味しい!と食べたのでした。

しかしです!その夜帰宅した外国人。
「なんか魚臭くないか?魚焼いた?」
と、野良犬並みの嗅覚で鼻をクンクン。眉間に皺を寄せて、今にも文句を言いそうな顔をしているではありませんか!
しかし、私とてもはや以前の可愛い新妻ではありません。いまや立派な図々しい中年女です。外国人夫以上にムッとした顔で答えてあげましたよ。
「だからなによ?魚くらい食べたからってなんなのよ!たかが魚の臭いくらいで小さい男だわ‼︎」
「そうだ!そうだ!鼻にティッシュでも詰めとけ!」
「なんか姑みたいだよね。そんなことでいちいち男のくせに!」
「そんな嫌ならダディーだけ別の家で暮らす?」
かなり辛辣に子供達も加勢しだしました。
子供達まで敵に回したくないのか、外国人夫は「いや、臭いがしたから食べたのかな?と思ってさ」などと、ボソボソ弱気なことを言いながらも、そこら中の窓を開けたのでした。
子供達の言っていた通り、20年前の出来事はすっかり忘れている様子(笑)

それにしても、ここまで焼魚の臭いを毛嫌いする外国人って、他にいるのでしょうか?
刺身など生魚が食べられない外国人は何人も見てきましたが、焼魚の匂いにここまで反応する外国人は、私が知る限り夫だけです。やはり外国人と結婚しているお友達に聞いても、特に苦情を申し立てられることはないわよ。そう言います。

国際結婚について、よく文化や習慣の違いなど、その難しさが取り上げられていますが、我が家で最も大きな問題の一つがこの「焼魚問題」なのでした。
とっても些細でくだらないなと思いながら、当人達にとってはどうしても譲れないことってあるのです。
国際結婚のみならず、それぞれの家庭によって、色々とあるということなのでしょうね。