お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

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外国人村で田舎暮らしという無理なお話。

最近、我が家の夫が地方移住をちらつかせてきます。
日頃から私が「よほどの事態にならない限り、東京からは離れません」と言っているにも関わらずです。
というのも、なにやら外国人友達が長野県某所に土地を買い、家を建てるのでお前もどうだ?と、話を持ちかけてきたらしいのです。
(まったく、影響されやすいオトコだわ!)
その町(村か?)はすでに多くの外国人が暮らしており、独自のコミュニティができ上がっているといいます。住人のほとんどは外国人で商店なども住人である外国人経営と、まるで小さな一国のようにすれ違う人も外国人、話す言葉も英語という、まるで外国の田舎町のようなところらしいのです。

別荘を買うぜ!

「私は病院とランチをする店がない町では生活できないのよ!」
いつものように全く話しに取り合わずにいると、あの手この手で攻め込んできます。
「美味しいパン屋あるぜ!」
「長野だから美味しい蕎麦屋もな!」
「大好きな軽井沢も県内だぜ!」
美味しいパン屋も蕎麦屋も長野まで行かずともあります。軽井沢は東京からでも新幹線であっという間に行けます。
「そんなの移住する理由になんかならないわよ!第一病院はどうするのよ」
なにを言っても首を縦に振らないもので、敵も作戦変更。
「それなら住まなくてもいいんだぜ!ものすごく安いらしいから土地を買って別荘建てて、週末だけあちらで暮らすってのはどうだ?」
と、これまた面倒くさいことを言い出します。まったく、なんでもかんでも所有したがる夫らしい発想です。
そもそも日本で不動産を持つつもりはないと言っていたのはどこの誰でしょうか?だからこそ今でも賃貸マンションで暮らしているのです。
それ差し置いても、我が家にはまだ大学進学を控えた子供達が2人もいるというのに、なにを考えている?自分が富豪になったとでも勘違いしてるのかしら⁉︎と、思わずにはいられません。
真っ当に考えれば、余計なことにお金を遣っている場合ではないのです。しかもそれが田舎町の外国人村にわざわざ別荘だなんて。。。
そもそも、週末だけ過ごす別荘を買うくらいなら、私はサクッとホテルに宿泊します。休暇に行ってわざわざ家事、しかも慣れない田舎町で不便に耐えながらだなんて、考えただけで更年期の症状が出るというもの。その点、ホテルなら自分はなんにもしなくても上げ膳据膳です。
おまけに別荘など所有したら維持費もかかってきます。トータルするとホテル滞在の方がずっとコスパはいいではないですか‼︎
「それじゃ、ただの旅行と同じではないか!意味がない!」
と、なにを勘違いして浪漫を求めているのやら、夫の勢いは止まりません。
(そんなのは金持ちの道楽だわ。腐るほど金があったら、とっくにそんなオモチャの一つや二つ。。。)
実は、夫には詳しく話していないのですが、私は若い頃にとある別荘地の土地を買ってあります。別に別荘を所有しようと思ったわけではなく、なんとなく話がきてたまたま払えた額だったので、老後にでも使うかな?と勢いで買ったものです。
あれから数十年、更地のまま放置してある状態です。
「どうしても別荘が所有したいなら、私の土地をあげるからそこで遊んだらどうよ?」
親切にもそんなオファーをかけてみましたが、どうやら例の外国人村でなければ嫌な様子です。
「周りが全部外国人で公用語も英語ってのがいいんだよ」
「それなら自国へ帰ればいいじゃないのよ」
「いや、日本も捨てがたいし、もう自分の国同然だからな!」
と、こんな時だけ都合よく日本贔屓してみせます。
長年日本で暮らしているとはいえ、友人関係はすべて外国人です。やはりそんなコミュニティに身を置きたいということでしょうか?
そのうち外国人オヤジだけのボーイスカウトチームでも作るんではなかろうか?と危惧するほどですが、思えば私も海外暮らしの時は、気の合う日本人との会話に癒しを覚えたものです。ピンッと常に張りつめていた糸ならぬロープが、ふと緩むような安心感を得ていたのは確かです。
夜な夜な外国人友達と集っている夫を見るとそれも理解できますが。。。
いやいや、それとこれとは別です!安易な優しさや理解は、間違いなく自分の首を絞めることになります。
やはり別荘なんて必要ありません‼︎


キャンピングカーを買うぜ!

「うちの愚妻がさぁ、別荘は絶対嫌だって言うんだよなぁ」
とでも言ったのか、言ってないのか、今度はお友達から新たな提案があった様子。
「それなら、お前は買わないで俺んちの別荘に滞在すればいいじゃん!なんだったら、キャンピングカーであちこちの別荘訪問ってのも悪くないんじゃないかい?なんと言っても外国人だらけなんだからねー!」
「おおーっ!それは名案じゃないか!外国人村、サイコー‼︎ なかなか楽しくて快適そうだな!」
と、想像するにそんな会話があったのでしょう。
「おい!キャンピングカー買うぜ!それで週末は長野だ!その合間に老後は日本の隅から隅まで旅して回ろうぜ!」
「カーってさ、それお風呂入れないじゃないのよ!⁉︎ トイレだって車内に溜め込むんでしょ⁉︎ あり得ないわ!」
「それも旅の醍醐味ってもんだぜ!」
嘆息です。。。
夫は一体何十年私と暮らしているのでしょう?そんな暮らし、私にできるとでも思っているのでしょうか?
夫は過去の田舎暮らしを完全に忘れているようです。。。

田舎暮らし経験

いまはUIターンで田舎暮らしを始める人も多いようですが、これには向き不向きがあるのです。
我が家も子供が小さな頃に、そんな生活もいいかも知れないとたまたま訪れたチャンスに飛び乗り、海外のとある田舎町で暮らしたことがありました。
冬は朝早く起きて木こりの如く暖炉にくべる薪割りをしたり、夏は隠居した元気な爺さんのように広大な庭の芝刈りをしたり、週末には海や山で遊んだりと、新しい経験を楽しんだのも確かですが、それも日常となるとただの作業に変わります。
近隣の奥様たちとのお付き合いも然り。お茶会なども慣れてくれば狭い町の噂話だけ。同じメンツ、同じお菓子、同じ話題に退屈を感じるようになりました。
なによりも、コンサバなのに自己主張が激しい、おまけに物見高いという厄介さも垣間見え、ほとほと疲れ果ててしまいました。
一人で買い物をしようと町へ出ても、欲しいものも見つかりません。ランチをする店もろくになく、夕方5時にもなればシャッターを下ろした店だらけ。私にとっての唯一のエンタメがスーパーマーケットへ行くことくらいでした。
自分のやりたいこと、興味のあることが全くない暮らしはツライものです。目新しい経験や出会いも時が過ぎれば色褪せるもの。結局のところ心の戻る場所は、自分の好きなことができる場所、好きなものがある場所なのです。
楽しかった思い出もありますが、私の欲しい暮らしは、やはり生まれ育った東京にあったということです。
詳細を話せば長くなるので割愛しますが、ある事情が勃発してわずか1年にも満たず、我が家の田舎暮らしは幕を下ろしたのでした。

やっぱり東京

東京へ戻った私達夫婦、馴染みの蕎麦屋で好物の鴨南蛮などを啜りながら、やっぱりここでの暮らしが私達には一番合ってるのかもしれないわね〜と確認し合ったこと、夫はすっかり忘れているようです。
そしてまた、新たな暮らしを夢想しているのです。
まったく困ったものですが、このまま無視をしてまともに取り合わなければ、そのうち忘れることでしょう。

あと数年もすれば、子供達も自立して夫婦だけの生活になりますが、その時にまだ外国人村への思いを捨てられないようなら、私も多少は歩み寄る気持ちもなくはありません。
都心の小さなマンションで暮らしながら、週末だけ普通の車(キャンピングカー不可)で外国人村へ遊びに行く(日帰り)。
その程度に田舎を楽しむのなら、私にもできそうです。