世間には人の好意を受け取ることをよしとしない人も多くいます。
自分が弱い立場となった時、一人では苦労があるとき、困っているとき、そんな時にそっと手を差し伸べてくれる人がいても、その好意を辞退して自分一人でなんとかしようとします。
人をあてにばかりしているよりはよほど立派だと一見思いますが、私は常々疑問に思っているのです。
それって、お互いにメリットはあるのかしら?と。。。
こうした自分に厳しい人は、他人にも厳しい人が多いからです。
人様にお世話をかけるくらいなら、どんなに辛くとも自分でなんとかするのが当たり前。そんな考えで他人が大変な思いをしていても、手を差し伸べることをしません。
私もかつては「人の手助けなんていらないわ」と思っていた側の人間でした。そして当然のことながら人にも非常に厳しいという(笑)
少しでも人に頼っている人を見ると、「自立していないわ!」とか「依存心強すぎ!」などと、一刀両断していた口です。
しかし、そんな考えが今ではガラリと変わりました。
人から手を差し伸べてもらったら、ありがたくその手を握り、ご好意に甘えさせて頂いています。
そのかわり、もしも身の回りに困っている人がいたら、できる限りの手助けをしようと努力するようにしています。
なぜそのように考えが変わったかといえば、それは周りのリッチなお友達から学んだからです。
世間一般では自分に厳しくできる人が成功するというイメージですが、そうとばかりは言えません。
彼等、彼女達は自分にも優しく、他人にも優しいのです。
自分を苦しめるものや悲しませるものは我慢せずに排除し、時には逃げ出すことも平気でします。
「なぜ、わざわざ苦労する必要があるの?しなくていい我慢などナンセンスだわ」と。
自分の身体の不調にも敏感で、無理は決してせずに自分の心身を大切にするよう常にケアを怠りません。
そんな風に自分に優しい人達ですが、他人にも同じように優しい心で接しています。
「無理はせずに、周りを頼ってね」
「あなたには大変そうだから、私が代わりにやるから大丈夫よ」
「誰か力になれる人を紹介するるからね!」
「少しは無理するのをやめたら?」
そん風に常に言葉をかけてくれます。
最初の頃は私もそんな言葉やオファーを素直に受け入れることができず、「ありがとう。でも、自分でなんとか頑張るから大丈夫よ」と、答えていました。
そんな私にお友達が言った一言。
「人の好意はありがたく受け取るものよ。いつか自分が人助け出来る機会がくるから、その時は与える側になればいいじゃないの!みんなお互い様なの」
人は持ちつ持たれつ、与え合いながら助け合いながら生きる方が効率的だという考え方です。
確かに一人でやっていては限界のあることも、適材適所で得意な人が手助けしながらやった方がよほどすんなりと事はすみます。
なんでも自分一人で背負い、苦しみながら我慢しながらやってばかりいたら、最悪心身ともに疲れきりダウンしてしまうなんてこともあります。そうなっては本末転倒。
それならば、得意な人、力のある人の好意に甘えて、そんな窮地を乗り越えるのも上手く生きていく手だと。
そして、もしも自分が人に好意を与えてあげられ力を得たり、そんな立場になった時は、惜しみなく手助けをすればいいと言います。
これには、ちょっと目から鱗だなと思ったものです。
人を頼ったり好意をアテにするという考えではなく、自分に無理なことは人に頼って、自分がしてあげられ時は自分が人様のために動く。
つまり自分のネットワークの中で、助け合いながら窮地を凌ぐという考え方です。
確かに効率もよいでしょうし、自分が受けるダメージも回避できます。
彼女達は人の好意というものを、相互扶助ととらえているからこそ、私にも遠慮をしてはならないと言ったのです。
こうした考えで行動する彼女達は、上手に人の手を借りながら、時に手を差し伸べながら、自分の手にしている幸せをどんどん膨らませていっているということがわかりました。
相互扶助といっても、自分は人様のお役に立てることなどないわ。。。
そんな風に遠慮が出てくるのも正直なところですが、実際は誰にでもできることってあるのです。
人はそれぞれ持っているものは違います。生い立ちも経験も人間関係も、みんな違うものを持っています。それが誰かのために活かせる事は必ずあるものです。
どんな些細なことでも、困っている人からすれば、「藁をも掴む」藁の一本になれることもあるということです。
助けて頂いた人に直接その恩を返せることばかりではありません。もしかしたら、その人に助けが必要な機会は訪れない、また故人になってしまったなどで、お返しする機会を逸してしまうこともあるでしょう。
しかし、問題は誰にしてあげるということではないといいます。
もちろん好意をくれた方にお返しできるのが一番ですが、たとえそれができずとも、また別の助けを必要としている人に、自分がしてもらった好意を同じようにあげればいいのです。
人からの好意を素直に受け入れることで、人にも優しくしてあげたい。そう思うのは普通の心理です。
しかし、自分が常に不公平感を募らせ、幸せでないと感じている人は他人にも優しくなれません。そのせいで確実に得をする機会を逃しています。
つまり人から助けてあげたい!と思われなくなってしまうのです。
余計なお節介はする必要はありませんが、常に身の回りの人の役に立つことができたらと、そんな優しい気持ちでいれば、その気持ちは回り回っていつか自分の元へ帰ってきます。
自分を厳しく律するのも立派ですが、そのせいで他人にも同じ厳しさを求めるのは違います。
一度人の好意に甘えてみれば、その優しさがどんなものかわかるでしょう。そして、同じ気持ちを他の人にも分け与えたいという気持ちにもなるはずです。
持ちつ持たれつと考えて、それぞれが優しさをもって人に接すれば、悪いことは起きないものです。そんな良好な人間関係の中には不思議とお金も近寄ってくるようです。