お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

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変わりゆく東京の街の中で、上野がなかなかの頑張りを見せていると思った件。

先日、知人のお見送りをするため、かなり久しぶりに上野駅へ降り立ちました。

お隣の湯島界隈くらいなら行くことも度々ありましたが、上野駅まで侵入する機会は本当になかったので、その変わってしまった風景に戸惑うばかりてした。
自分がどこを歩いているのかわからずに、まるでお上りさんのようにキョロキョロと、あちらへ行ったりこちらへいったり。。。

構内の古臭いお弁当屋さんの代わりに、なんだか都心部の駅構内で見るようなチェーン店が並び、ここは品川駅かしら?と思ったほどです。




私の中にある上野は、どこか薄汚れた古臭い駅で、これまた洗練とは無縁の人々が行き交うような、田舎への出入口といったイメージでした。
それが今では品川駅などと変わらないような変貌をいつのまにか遂げていたのです。

目をつぶっても歩けるわ!と思っていたところが、まるで見知らぬ場所になってしまったことに多少の衝撃を覚えながらも、ちょっと気を取り直して、せっかくだから、あんみつハンティングにでも行こうかと、駅構内から出ることにしました。

駅の外には上野の森美術館、国立西洋美術館、東京美術館、国立博物館など、ちょっとアカデミックな施設があります。
そして老若男女、みんな大好き上野動物園もです!
私も子供の頃にはよく上野動物園へ連れて行ってもらいました。たしか幼稚園の遠足でも行った記憶があります。

パンダちゃんが初めて日本にやってきた時も、世の中のフィーバーに負けじと、私もその行列に加わりました。
本当はパンダちゃんがあまり好きではなかったのですが、誰もかれもが夢中になっているその熊を「可愛いと思わない!」などと言ったら、なんて捻くれた子供なの⁉︎などと思われるかもしれない。。。そんな恐れがあったのでしょう。
あの頃は素直な少女だったのです。

さて、もう少し成長し小学生になった私は、美術館や博物館にも足を運ぶようになっていました。
あの頃は今よりもずっとアカデミックなことに興味を抱いていて、知的好奇心が最も旺盛だった時代と言えましょう。
とにかく物珍しい展示があると、一人で電車に乗って上野へ足を運んだものです。

思えばあの時代は平和で安全な世の中でした。小学生の小さな私はバスや電車に乗って、いつでも上野の街へくりだしては、ふらふらと一人で歩いていたのですから!
今の時代であれば、補導されかねません。

そんな上野の街も駅同様に変わってしまったのではないか?

ようやく見つけた駅正面玄関から恐る恐る外に出てみると、なんとなくかつての面影を残していて、ホッと一安心。
周りのビルや店は様変わりし、知らない名前になっていましたが、全体的なレイアウトや、あの雑多なプリミティブ感は感じることができました。

あんみつを目的に、散歩がてら上野広小路方面へ歩き出すと、駅からアメ横へ入るちょうどその場所に『じゅらく』というレトロな洋食屋さんが目に飛び込んできました。

「やはり、ここは上野だわ。。。」
かつて見ていた景色に強い安堵を覚えたのでした。

子供の頃は怖くて一人で歩けなかったアメ横も健在のようです。
あの酒と煙草に焼けたしゃがれた声を絞り出すように「カニ!カニ!安いよ〜!」と叫ぶアメ横おじさんに恐怖を覚え、父親の背中にしがみつくように歩いた記憶のせいで、いまだに苦手な場所です。

今では「奥さん〜、これ3つで千円でいいよ!」などと言われれば、「あら?」と躊躇することなく、足を止めてしまうでしょうけれど、それはそれでまた散財の危険があるので、アメ横はいずれにしても禁断の場所なのです。




なんだか、そこだけは時代が止まっているようなアメ横を横目で見ながら、かつての上野がほんの少しでもそこにあることを、何故か嬉しく思いました。

東京の街がどんどんお洒落に変わっていくことに、これは本当の東京の姿ではないわ!と常々思っている私にとって、多少なりとも昔と変わらない姿を残している上野という街に、これまで感じたことのない親近感を感じたのでした。

東京の人間も、汽車に乗ってやってきた地方出身者も、外国人も、大人も子供も、「誰でもウェルカム!」そんなダイバーシティー上野。

流行のファッションを纏っていなくても、標準語はおろか片言の日本語しか話せなくても、気後れすることなく振る舞える飾らない街、上野。

ラブリーなパンダかいたり国内外から名画がやってきたり、ちょっとアカデミックな雰囲気をまといつつも、道路一本隔てれば、ダミ声で怒鳴り続けるおじさんがいたり、そんなカオスこそがまさに上野なのです。

なにやら変わりゆく東京の中で、依然として古き良きカオスを守ろうとしている上野に逞しさのようなものを垣間見て、「頑張れよ、上野!」と思ったのでした。

な〜んて、ちょっと『アド街ック天国』してみました(笑)