10月はピンクリボン月間だそうです。
そんなこととはつゆ知らず、数年ぶりに婦人科検診を受けました。
先日のコンタクトレンズの記事でも触れましたが、約6年前に大きな病気をして以来お世話になっている主治医に「無精せずにちゃん検診しなさいね」」と言われているので、毎年この時期は『メンテナンス月間』と勝手に決めて健康に留意してきましたが、婦人科検診はおざなりにしていました。
もちろん主治医からは「僕は婦人科は診られないから、ちゃんと検診しておいで」と、口が酸っぱくなるほど言われ続けていましたが、なんだかんだと理由をつけては放置。。。
しかしさすがに6年ともなると、「そろそろやっておいたほうがいい?」という気持ちにもなり、ようやく重い腰を上げたというわけです。
しかし、またまた乳癌検診で引っかかってしまいました。
これは初めてのことではありません。以前もマンモグラフィ検査を受けた際に、「要再検査!」との連絡をもらった事がありました。
いや、マンモグラフィ受けるたびに何やら写っているらしく、再検査となるのです。
「ああ、またか。。。どうせまた結果はシロでしょ?」と、思いながらも再検査までの間、暗い恐怖に怯えることになります。これが嫌で避けていたということもあります。。。
再検査までの恐怖
その日、わたしはいつものようにデパ地下でお菓子を物色してしておりました。
そんな最中、鞄の中で携帯が鳴り出したので見てみると、見知らぬ番号が表示されています。
とりあえず出てみると、数日前に受けた婦人科検診の病院からでした。
「マンモグラフィの検査結果が出たのですが、左胸に異常が認められたので再検査して下さい」
ここで一気に気分がダウンです。。。
「最短で再検査できる日に伺います」
そう言って三日後に予約を取り付けたものの、もう買い物をするような気分ではなく、とりあえず気休めにとばかりに近場にあるお菓子を一つだけ買って帰宅したのでした。
今回も病院から連絡を受けてから、再検査までの三日間「大丈夫よ!私は乳癌にはならないわ」という気持ちと、「ひょっとして。。。」という気持ちの狭間で、気持ちが暗くなっていました。
過去の病気治療や手術を思い出しては、「もう2度と身体にメスを入れるなんてイヤ!」と、己の乳房を睨みつける毎日。
こんなことなら、検診なんて受けなければよかったわ!などと思ってしまう始末です。
ただでさえ、マンモグラフィは痛いのです。というか、私のような中年の垂れパイはそれほどではありませんが。。。それでもギューギューと押し寿司を作るみたいに絞り上げられて痛くないわけはありません。
こんな中年女でも、上半身素っ裸になり、乳房をギューギューと押しつぶされている姿はなんとも辛いものがあります。
その上に「再検査」のお知らせと、それに伴う恐怖に耐える数日間と言ったら!
これは経験した人にしかわからないでしょう。。。
本当に精神的な負担は大きなものです。
再検査当日
さて、そんな恐怖と共に迎えた検査当日、診察室へ入った私は、
「いつも引っかかって、その度にシロなんですけど!」
と、恨みがましく先制攻撃。しかしマンモグラフィの映像を見せてもらうと、確かに白い影が写り込んでいます。
画像から推定すると直径6ミリほどらしいのですが、時折自分でやるチェックでは触れたことはありませんでした。
そんな話をしながら医師に触診をしてもらいましたが、やはりシコリのようなものはないとのこと。
しかし、シコリが触れないからといって何もないとは限らないそうです。
癌ができる場所が表層なら触れやすいですが、もっと深い部分や乳首のすぐ裏側などに出来た場合かなりわかりづらいといいます。
私のケースも手に触れる場所ではないと、超音波検査に回されることとなりました。
マンモグラフィか超音波か
これまで何度も別の病気の検査で超音波を受けてきましたが、これほどまでに時間がかかったのは初めてでした。
隅から隅まで何度も、あらゆる角度から丁寧に検査してくれているのがわかったので、その間検査技師さんに色々とお尋ねしてお勉強しました。
まず、マンモグラフィがいいのか、超音波検査が有効か尋ねてみたところ、人によりけりとの答えが返ってきました。
年齢的に乳腺の発達している若い女性には超音波の方が、また乳腺よりも脂肪の多い、中・老年期はマンモグラフィが有効との話をよく聞きますが、それもかなり個人差があるので一概にどちらがいいとも言えないそうなのです。
中・老年期の女性全ての乳房が脂肪でできているわけではなく人によっては、若い人と同じように乳腺がしっかりある人もいて、そんな人はやはり超音波検査も受けた方が安心だといいます。
実際に私は本来なら脂肪でいっぱいエイジですが、まだまだ乳腺がしっかり残っているそうで、超音波でも調べておいた方がベターだとの事でした。
結果はシロ
結局、今回の再検査の結果は以前同様に乳癌は認められないとのことでした。
乳腺が脂肪に変化している部分がたまたま重なり、シコリのような影として写ってしまったとのこと。
ホッとはしたものの、今後どのような検査が有効なのか、検査後に医師と相談することにしました。
マンモグラフィと超音波でダブルチェックがいいのか?と思いましたが、なんだかあまり神経質にもなりたくはありません。
まだなるかどうかわからないような病気にビクビクして過ごしたくないわ!そんなことを医師に言ったところ、マンモグラフィは2年に一度、気になるところがあれば年に一回でも超音波受ければ?と、軽い感じで言われました。
それにしても、マンモグラフィ受けるたびに再検査とか、もう本当に勘弁してよ。。。と、つい本音をポロリしたところ、寛大な先生は「万が一の可能性を考慮してのことだからね」と。。。
わかってはいるけれど、精神的なストレスは大変なものです。
「何事もなかったのだから、いいじゃないか!」
などと能天気な外国人夫も言いますが、自分が癌かもしれない⁉︎ などと思いながら過ごすのは1日でも嫌なものです。
婦人科検診は必要なのか
本当なら婦人科検診は受けたくないというのが本音です。
痛いわ、他人の前であられもない姿を晒さねばならなかったり、出産経験のある中年女でさえも多少の抵抗を感じてしまい、できることならスルーしたいわ。。。などと毎度考えてしまいます。
しかし、さりとて全く受けないでいるという勇気もありません。もし病気に罹ったとしても初期に見つかれば、大事に至ることはないからです。
素人の自己診断でどこまでわかるのか?と考えると、やはりきちんと病院で検査してもらう事が早期発見の近道です。
巷では婦人科検診など意味はないとする意見もあるようで、私の知人の中にも一切検診等は受けていないという人がいます。そんな話を先生に振ってみたところ、乳癌は検診で早期に見つかれば生存率は高い病気であり、逆に検診ではなく自己診断でシコリなどに気付いたいたときには、かなり進んだ状態ということもあり得る。。。
そんなことを言います。
こんな話を聞いてしまっては、やはり検診を受けない選択をする勇気はありません。。。
発見しづらい癌
ただ、見つけられない癌もあるといいます。
乳癌に限らず、毎年検診を受けていても見逃されてしまうもの、見つけられないもの、小さすぎて見えなかったものが急速に成長してしまう例など、不幸にして検診をかいくぐってしまう例もあると先生自身が言っていました。
もうそこまでくると「何事も運の良し悪しがあるのかしら」と、そんな気持ちにもなってきます。
すると、ますます検診を受けていてもダメな時はダメなのかと、検診を受けない理由にしたくなるのです。
ただ、検診を受けたあとに「大丈夫でしたよ」と言われれば、やはりそれは大きな安心感となります。
身体は人それぞれ
病院の先生の話や周りの友人知人の話を聞く中で思うのは、乳癌に限らずどんな病気も「人それぞれなのだなぁ」ということです。
もちろん沢山の症例の中から導き出されたデータは信用に足るものだとは思いますが、必ずしもそれが自分に該当するとは限りません。
体質や遺伝的な要素、生活習慣など、人はそれぞれ違うものです。あの人はこうだったから自分も⁉︎と判断するほど単純なことではありません。
そうなると、やはり各々が自分の身体をよく観察することが大切になってくるのでしょう。
疑わしければ即行動
私は再検査などの連絡が入ると、すぐに検査の予約を可能な限り早く入れるようにしています。
たとえ他に予定が入っていたとしても、その全てをキャンセルしてでも病院を最優先します。
以前、大病をした時、それで命拾いした経験があるからです。その時も疑わしいのならすぐに処置を!と、数日後には手術を受け、そのお陰で今でも生きていることができています。
もしもあの時、検査や手術を先送りにしていたら、今頃はどうなっていたかわかりません。
特に自覚症状が全くない場合などは、日々の雑事に追われて後回しにしがちですが、それが命取りになる可能性もあるのです。
そんな経験から、とにかく疑わしい事があるのなら、なにはさておき自分の健康を優先することにしています。
健康より大切なことってあるでしょうか。元気だからこそ毎日を楽しく生きられるのです。
死んでしまったら何もできません。
何事も先送りにすればするほど物事は複雑になるものです。
シンプルであればそれだけことは簡単に運ぶものです。
病気も同じ。心の隅に不安を抱えているくらいなら、私はさっさと問題解決してスッキリしたいのです。
何かあれば必要な治療をし、何もなければ心スッキリ。
自分がなにか重たい病気かもしれない。。。
そんな風に想像するのはとても怖いことで、別に痛くないし、それほど酷いわけでもないし。。。などと先延ばしにしてしまいたくなるものです。
しかし、運が悪ければそれが後々大事に至ることもあります。
手遅れにしないためには、迷わずに行動するしかないということです。
判断は自分しかできない
今は本屋さんへ行くと、色々な病気に関する本が並んでいます。ネットでも情報を得ることができます。
しかし判断に困るのは、書いてあることが違うということです。
お医者様といっても、全ての医師が同じオピニオンを持っているわけではありません。
医師が書いた本の中には、「病院には行くな」「癌検診はするな」というものまであるくらいです。
一方では「しっかり定期検診は受けるべき」とする医師もいます。
お医者様の言うことであれば信憑性があるだろうと思いきや、全く別のことを言われては、どちらを信用していいのやら判断に困ります。
私の知人の中にも西洋医学否定派で病院へは行かないと言う人もいます。
そんな人からすれば、検診でX線を浴びる方がよほど高リスクだといいます。
そんな話を聞くと、検診など受けない方がいい?とも思えてきます。
一方で、検診によって早期に癌を発見された親類や、自分自身の経験を思えば、やはり早期に発見してもらうのが一番だとも思えます。
どちらを選択するかは自由ですが、いずれにしても多かれ少なかれリスクははらんでいるのだと思います。
そう考えると、唯一の判断基準は
「自分がどうしたいか?」
最終的にはそこに尽きるのでは?と思います。
人の言うことに左右されていたら、いつまでたっても判断はできません。
今回の再検査を機に、先生からも色々意見を聞き、自分の身体の状態など考えた結果、乳癌検診に関しては、1年後に超音波を、2年後にマンモグラフィ検査をすることにしました。
2年後のマンモグラフィで、また再検査→結果シロ なんてことは是非とも避けたいものです。
恐怖はストレスになるので。。。