お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

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街の和菓子屋さんが姿を消しているという現実に寂しさを覚える。。。というお話。

最近、街の和菓子屋さんが姿を消しているというニュースを見ました。
なんでも倒産件数が昨年の1.2倍だそうで、有名老舗和菓子店までもが倒産という事態になっているそうです。


気軽に買える和菓子の台頭

売上減少の原因はコンビニなどがシニア層をターゲットとした商品を数多く並べるようになったこともあるようです。
惣菜のみならず、コンビニでも羊羹や大福、どら焼きなどの和菓子をよく目にするようになりました。
スーパーもしかりで、様々な種類の和菓子が置いてあります。
コンビニは名前のごとく、とっても便利なので私もよく行きますが、あまりお菓子を買うことはありません。
食べるべきお菓子はまだまだ山ほどあるので追いつかないからです(笑)
しかし、子供達が買ってくるコンビニスイーツなどをいつも「一口ちょうだい!」と味見させてもらうのですが、そのクオリティーの高さに驚かされることがあります。

洋菓子はもとより、和菓子、そして和と洋を融合させた創作スイーツなど、目まぐるしいくらいのスピードで次々と新商品を出してくるのですからすごいものです。
コンビニのスイーツ商品開発している人、寝る暇あるのかしら?などと思ってしまうくらいです。
これは街の小さな和菓子屋さんに影響がないないわけはないなぁ。。。と納得できます。




若者の和菓子離れ

もう一つの原因に若者の和菓子離れもあるようです。
かつてはそれほどチョイスのなかった洋菓子が、今は花盛りです。国内のみならず、海外からの有名店がこぞって日本に出店、お菓子の話題を総なめにしている現状を考えれば、好奇心旺盛な若者が洋菓子に流れていくのもわかります。
若者のみならず、私のように幼い頃から和菓子に親しんできた年代の人間でも、この洋菓子の魅力に逆らうことができないのですから。。。

和菓子界隈も、現在4代目、5代目となるような若き店主達がただ店で客を待つだけでなく、カフェを併設したり、イベントを企画するなど、あらゆる方面からアプローチするような経営を始めています。
つい先日も数件の和菓子さんが一同に介し日本橋の百貨店さんで餡子を味わうという催しをしたのが話題になりました。

虎屋さんも赤坂の店をガラリとリニューアルしました。どんな大手も老舗も様々な企業努力をしている現状を考えると、経営自体も今までと同じでは淘汰されていくということになるのかも知れません。

贈答品の減少

お歳暮やお中元といった贈答品の減少も原因の一つだといいます。
我が家は外国人を家主とする家庭なので、お歳暮やお中元を贈るという習慣はありませんが、実家にいる頃は、その時期になると家に沢山の和菓子が届いたものです。
しかし、一家の主人が亡くなってからは、そんな事もなくなりました。

お友達の家庭では、未だにそうした贈り物を習慣にしている人も多くいますが、「面倒なことは、もうやめたいのよね」などと言う言葉を聞く事も度々あります。世代が変わるごとに古き習慣もやがてなくなっていくように感じます。

お歳暮やお中元といった季節のご挨拶以外の贈り物としても、和菓子はお約束でした。
実家の父などは生前、来客の予定などがあると、いつも虎屋さんの羊羹と最中の菓子折りを用意していました。
ずらりとあの黒い紙袋が並んだ光景はとても印象的で今でもしっかり覚えています。
私自身もそうですが、そんな贈り物を頂くと、テンションが上がります。

しかし贈答品を贈る人の年代が変われば品物が変わるのも当然のこと。
和菓子を好んだ年代は鬼籍に入ったか、また代替わりしたかで表舞台から消えました。
次なる主役である現役世代はといえば、美味しい洋菓子もしっかり食べて育っています。

贈答品も今は本当に沢山のチョイスがあるので難しいものです。
私もよく友人知人から頂いたり、あげたりと、気が向くと貢物合戦をしますが、気心知れた仲だからこそ、和洋、値段問わずに気軽に選べるのもですが、これが仕事関係の方や大切な人に贈るここ一番でのお菓子となれば、かなり頭を悩ませることでしょう。

そして行き着く先は、目新しい話題の洋菓子か、名前見栄え共に間違いのない老舗高級店の和菓子となります。




贈答品選びの二極化

私は洋菓子も好きですが、和菓子も負けず劣らず好きです。それでもフォーマルな贈り物をする際は、結局は上の二択に落ち着いてしまいます。
お菓子業界も贈答品からなる利益は強いでしょうから、そうなると和菓子店も一極集中。中堅どころや街の個人経営店では、贈答品から利益を得るのが難しい時代になったといえます。
格差は和菓子業界にも及んでいるかしら?などと思ったのでした。

街の和菓子さん

普段、自宅でおやつやデザートに食べる和菓子をいくつか買うような私など、売上に微々たる貢献しかできないでしょうが、お客の立場からいえばやはり街の小さな和菓子屋さんがなくなるというのは寂しいものです。

身近なところでは、我が家のご近所にあった和菓子屋さんもシャッターが降りたまま。前を通るたびに心配していましたが、どうやら店仕舞いしたようです。
老夫婦が二人でやっていた小さな和菓子屋さんですが、前を通ると必ず何かしらお買い物をしていました。
子供達が小さな頃は、七五三のお赤飯や千歳飴をお願いしたり、お節句などで頂くお菓子もお世話になっていたので、なくなってしまったのは寂しい限りです。

虎屋さんのような大きな有名和菓子店のお菓子もよく買いますが、個人経営の小さな和菓子さんは、生活に密着した使い勝手の良さがあります。
気軽に寄って、近所の四方山話に花を咲かせるといった社交の場でもありました。

やっぱり和菓子ラブ

寂しい!寂しい!とばっかり言っていても仕方ないので、和菓子ラブな理由も語りましょう(笑)

和菓子のよさはその季節感です。
洋菓子でもシーズンごとに出てくるような、季節を感じさせてくれるお菓子はありますが、ビジュアルや文化なども含め、四季を目と舌で味わえるのは、日本人であればやはり和菓子です!

我が家の外国人夫も、その美しさや繊細さにいつも感動しています。
食は文化といいますが、和菓子も日本の代表的文化です。
それが日々、街から姿を消していくのは残念でなりません。

自分で作ってみればわかりますが、餡子を作るのも、皮を作るのも、本当に手間がかかるものです。
私も時々、自分好みの餡子を!と張り切って作ったりすることもありますが、「こんなこと毎日やっていたら、腱鞘炎になるわ!」と、すぐ根を上げてしまいます。

そんなお菓子がわずが何百円でいつでも買えてしまうのです。なんという贅沢なものかと思わないではいられません。

コンビニやスーパーで並んでいるような和菓子も、決して不味いわけではありません。むしろ、この値段でこのクオリティー⁉︎と思うこともしばしばで、和菓子に限らず洋菓子でも、美味しいお菓子が安価で手軽に買えます。
その利便性を否定するものではありませんが、やはり私は気軽に立ち寄れる街のお菓子屋さんの和菓子が好きなのです。

もう近所にはこうした個人経営の和菓子屋さんはなくなってしまいました。
そのせいでここ数年は、私もデパ地下や大きな老舗店の和菓子ばかりになっていますが、個人店でもとっても美味しいものを作っているお店も沢山あります。

和菓子ラブの身としては、老舗高級店のみならず、「こんにちは」と暖簾をくぐって気軽に寄れるお店が消えて無くなるのは寂しい限りです。。。

※写真は本文とは関係ありません。ただのイメージ画像です。