お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

Sponsored Link

新元号「令和」に思う万葉集。古典とは大人のための贅沢な読み物なのです。

新元号が発表となりました。
元号よりも西暦を使うことの多い我が家ですが、巷の盛り上がりに乗せられてか、子供達のみならず外国人夫までが騒いでおります。

「令とは命令の令ということか⁉︎」

外国人夫などはまたしても面倒くさいことを言っています。
テレビでもそんなイメージを持ったという人の声が紹介されていました。

しかしこの元号は日本最古の歌集である万葉集から引用されたそうです。


初春の令月にして 気淑く風和らぎ

梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫らす


この一節を読んだだけで、なんとなく美しい情景が目に浮かぶというもの。

しかしこれを外国人夫に説明するのは日本語でも英語でも至難の技です。。。
現役の学生である子供達も古典は全くダメというから頼りになりません。

英語で直訳して伝えても、伝わるほど言葉とは単純なものではありません。

そもそも「万葉集」自体を知らないのですから。

「それはね、日本に伝わるもっとも古い和歌集なのよ。ポエムを集めた書って感じかしら?」

そう説明したものの、私自身なんだかしっくりこないのです。

「ポエム」の一言ではどうにも伝えきれないものがあり、すっかり面倒になってしまいました。。。

「外国人のあなたには、万葉集など読んでもわからないでしょうよ。。。」

最後はそう匙を投げてしまいました。





私は特別古典好きというわけではありませんが、万葉集などは時折本棚の奥から引っ張り出してきて、暇つぶしに読んだりすることがあります。
百人一首や徒然草なども同じで、じっくりというよりは、パラっとめくったページに目を走らせるといった楽しみ方です。

細切れの時間の中で動く専業主婦は、長い小説などをじっくりと読むような時間は案外ないものです。読み始めてもすぐに腰を上げなければいけないという生活の中では、こうした短い言葉の中からストーリーを想像できる書はとても便利なのです。

なによりも「日本人でよかった〜」と思うような美しい日本語に触れることができます。

国語や古典が苦手な子供達にもなんとか親しんでもらおうと、過去には気軽に読める古典のビギナーズシリーズなどを与えてみたものの、やはり退屈で無理だといいます。。。



万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)


しかしそれもわからないことはないなぁ。。。というのが正直なところ。

私も学生の頃は退屈極まりないと思っていたものです。しかしこの歳になるとその味わい深さがよくわかるようになるから不思議です。

相聞などは下手な恋愛小説を読むよりも、よほど心に響くものです。

言ってしまえば「子供に読ませるにはもったいない大人の書」なのではないでしょうか。
どんなに暗記をしても、言葉の意味そのものを理解しても、書いた人の心の動きや心情などを想像するにはそれなりの人生経験があってこそです。
それを、10代の年若い子が理解するのは難しいのではないかと思うのです。

今は落第しない程度にお勉強して、大人になり人との別れや恋をもっともっと経験してから再び手に取り、その美しさを感じてくれたらと思っています。

さて、肝心の新元号ですが、「令和」と聞いても、昭和から平成に変わった時同様に最初はしっくりこないものです。
5月から新元号になるので、夏が終わった頃には定着するでしょうかね。