どら焼きで有名な『亀十』さんのお隣に『龍昇亭 西むら』さんという老舗の和菓子屋さんがあります。
こちらでも『亀十』さんに負けず劣らず美味しいどら焼きがいただけます。
浅草で生まれ育った私のお友達などは、
「浅草で一番美味しいどら焼きは間違いなく西むらさんのもの!」
そう豪語するほどです。
普段、どら焼きを食べない私が、
「最近久し振りに亀十のどら焼きを食べたわ!」
そう言ったのを聞いた友人、
「あなた、どら焼きも食べられるじゃないのよ!それなら西むらさんのを食べなさいな!」
地元の人にとってはイチオシだということで、早速差し入れしてくれました。
大きさはちょっと小ぶりで、しっかりと焼き色のついた皮の表面は、まるでビロードのようにきめ細かに整っています。
ほんのりとはちみつの風味も感じられる香ばしさと口当たりの優しい皮に対して、餡子はしっかり、どんとした存在感があります。
亀十さんの黒あんどら焼きは、しっかりとした甘さの割に軽い口当たりの餡子ですが、こちらはある程度の硬さがあり、餡子はとても濃厚な印象を受けます。
甘さよりもコクが勝ると言った方がいいのでしょうか。
餡子の美味しさが際立っていて、地元民に古くからご贔屓にされているのも納得です。
私感としては子供の頃によく食べていたような記憶の中にある懐かしい味のする餡子です。
どら焼きと言っても、そのお店お店で違った味わいがあり、なかなか奥が深いわ!と感じました。
自分でスイーツを選ぶとなると、ついつい好みを優先してしまうため、どら焼きを避けて、と言ったら大袈裟ですが、好んで近づくことがありませんでした。
思いもよらず、今回はお土産という形でどら焼きを立て続けに賞味する機会が得られました。
『亀十』さんと隣り合わせ、どちらも全く違ったどら焼きを堪能しました。
甲乙つけるなどというおこがましいことはもちろんできません。
食とは個人の嗜好によるもの。ジャッジするものではないと思っているので、「どちらが美味しいか?」ではなく、「どちらが好みか?」食べ比べてみるのも面白いと思います。