専業主婦の年金半額案というお話がにわかに話題になっています。
現在、専業主婦に限らず年収130万円未満の配偶者は、夫の厚生年金に「第3号被保険者」として加入、自分で年金保険料を納めずとも基礎年金がもらえることになっています。
これは昔から「不公平である」と度々議論になっていたことでもありますが、お国が決めたことです。専業主婦のみならずパート妻達もこの恩恵にあずかるために働く時間を調整するなどして「第3号被保険者」であることにこだわってきました。
私は恥ずかしながら年金問題にはかなり疎い方で、自分が「第3号」である事は分かっていますが、実際に支給される年齢になった時、一体いくらの年金がいただけるか知りません。
調べればわかることでしょうが、もう何年も前から「年金制度は崩壊する」と言われていたこともあり、年金保険を納める意味は親世代を支えることであり、自分達が将来受給するためではないという認識でいました。つまりは半分諦めていたというのが正直なところです。
しかし50歳も過ぎれば、さすがに老後も視野に入ってきます。体力の衰えに比例するように、「年金などあてにしていないわよ!」などという勢いも徐々に失われ、ちょっぴり弱気になりつつあります。
そして現在も受給年齢が先延ばしにされながらも、該当者は年金を支給されています。
そうなると、もしや崩壊はまだ先かも?
ギリギリで受給できるのではないか?
などと欲が出てきます(笑)
そこにきていきなり年金半額案とは。。。
どうせやるなら、もっと早くやって欲しかった!
50過ぎていきなり梯子を外されるとは!
諦めていたとはいえ、そんな恨み言の一つも出てきます。
私同様に「年金には期待しない!」と言いつつも、外国人夫は毎月お給料から天引きされる年金保険料や税金を見るたびに、
頑張れば頑張るだけ税金に持っていかれるんだよな。。。
稼げは稼ぐほど加算されて、実入りはたいして変わらないではないか!
自分と妻の分の年金と考えても、払った分だけ貰えるものなのか?
ついでに、、、
どんなに税金納めても年金保険払っても、選挙権もらえない。。。
そう、溜息をつきます(そんなに選挙権欲しいのか⁉︎ 笑)。
納めた分少しでも頂けるものは頂きたい!そうでなければ働き損ではないかと思っているようです。
もしも年金が貰えるなら、厚生年金だから国民年金よりは支給額が多いであろう、贅沢さえしなければなんとか生きてはいけるのではないかしら?などと、親世代を見ると楽観してしまいますが、ちょっと雲行きが怪しくなってきたようです。
第3号の廃止案
年金制度が危ぶまれている今、遅かれ早かれ「第3号」廃止という流れになるのは避けられない状況になっているのでしょう。
そうなると、、、
・妻も自分で国民年金保険料を納める案。
・妻には基礎年金を半額だけ支給する案。
・夫の厚生年金保険料に妻の分も加算して徴収する案。
現行ではそんなことが予想されます。
どちらにしても、これまで専業主婦(扶養内パート主婦)が受けてきた恩恵は綺麗さっぱりとなくなるわけです。
そうなると、とにかく自分の生活を守るためには、家庭を持った主婦も夫同様に働いた方がお得だわ!となります。
実際に専業主婦であることのリスクが叫ばれている昨今では、働く主婦の方が多くなっています。
かつて専業主婦は三食昼寝付きという、お気楽な立場として認識されていましたが、今は最もリスキーな生き方と敬遠されるようになりました。
そんな世間の声とは裏腹にアラフィフ世代の専業主婦の多くは周りが思うほどの危機感を持っていないものですが、中には(特に若い世代)働いていないことが不安になっている人もいるようです。
不安なら働けばいいじゃないの!
主婦だってちゃんと自分で稼いで、税金も年金保険も納めて自立すべき!
当然そういった声が聞こえてきそうですが、世の中には働きたくても働けない人もいます。
自身が病気であっったり、小さな子供を預けることができない人、介護する身内を抱えている人、夫が転勤族など、様々な理由で働けない人がいるのもまた現実です。
また働こうと思えば働けるけれど、子供を人に預けたくない、自分の手で育ててその成長を見ていたい、100%家事を担って主婦として家族のために家にいたい、そんな若い主婦もいるでしょう。
女性への負担と少子化
実際に小さな子供を抱えてフルタイムでお仕事をするのは大変なことです。言葉は悪いですが、時間もお金もすべて吸い取られるといってもいいくらいです。
ただでさえ待機児童問題など小さな子供を預けるのが困難な時代です。女性が男性並みに働いたら、誰が子供の面倒を見るのでしょうか?
たとえ運良く預け先が見つかったとしても、育児にかかる時間や経済面など、さらに大変なことが山積みといっていいでしょう。
特にお金の問題は厄介です。
子供が複数いるとなれば、教育費諸々それだけお金もかかるものですが、どれだけ教育に投資するかはその家庭、家庭で違います。
そこが厄介なところで、お金があればあるほど生活水準は自然と上昇し、子供にかけるお金も格段に増えるものなのです。
誰しも子供にはできる限りのことをしてあげたいと思うものですが、その親心が大きな支出の原因になります。
そうなるとさらに働いて稼ぐ必要がでてきて、もはや子育てを楽しむ余裕もなくなります。
もしも私がいま若かったら、このような社会で子供を持とうなどとは考えないでしょう。
子供と一緒にいる時間もあまりない、せっかく一緒にいられたと思っても同時に家事をこなして疲れ切り、自分の時間も持つこともままならず、お金のために働きまくるなどというのは想像しただけで過酷極まりない生活です。
女性ばかりが子供を産み育て、家事もメインで取り仕切り、おまけに男性並みに働くことを期待される。。。
こんなことが実際に可能なのかしら?と思います。
人は誰しも1日に与えられた時間は同じです。そんな中で様々な役割を一手にを担うなど、どこかにしわ寄せや歪みが出てきはしないでしょうか?
それが可愛い子供にいくとなれば、なんのために子を持つのだかわからなくなります。自分はもとより、親は子供を幸せにしたいと思うもの。それが叶わないのなら、子供など持たぬ方がいいとすら私は思います。
夫と2人で自分達のためだけに生活した方が、よほど余裕のある生活ができます。
子供は可愛いものです。しかしその分育てるには時間も手もお金もかかります。そして何よりも愛情が必要です。自分に余裕がなければ、子供に愛情を注ぐなど私にはできそうにありません。
全ての人とは言いませんが、そう考える若い人は少なからずいると思います。
子供を安心して育てることができない社会で、自身も大変な思いをすることがわかりきっている中で、好んで子供を産もうという人はいないでしょう。
今後はますます少子化に拍車がかかるのではないかと思います。それほど若い人にとって生きづら社会になっているように感じてなりません。
子育ての次に降りかかる問題
アラフィフ となるとまた事情は変わり、子供の代わりに今度は親の介護で仕事どころでないという人、時間とやる気はあれど働きたくても短時間のパート勤務くらいしか働き口がない、また更年期など体の不調など、もはや全力で働ける条件が整っていないケースが多いものです。
私も最近パートタイマーとしてお仕事を始めましたが、それは親の介護もなく、健康状態もよいせいです。さりとてフルタイムで正規雇用などは夢のまた夢。
中途半端にパートタイマーとして働くくらいなら、適度に働き小遣いの足しにして、第3号を死守してやろう!と思うわけです。
私のように美味しいとこ取りとばかりに働けるのはまだラッキーな方で、それができない人もいます。
子供の手が離れたら働きたいと言っていた専業主婦友達は、突然親の介護が必要な事態になり、仕事どころか週末もゆっくり過ごせないほど介護に追われる生活になりました。
本当にこの年齢になると予期せぬことが起こるのです。私とて過去に大病をしたことを考えれば無理はできませんし、年齢的にもまたいつどうなるかはわかりません。
老後のことを考えれば、もはや年金問題に無頓着ではいられないというわけです。
自分が働けるのなら問題ありませんが、いつ働けなくなるかわかりません。そうなると期待していなかった年金も一つの大きな安心要素になります。
そんな中での年金半減問題です。充分な財産がなければ安心して歳もとれないというわけです。
これからは老若男女問わず、働けるものは働いて国に貢献して下さい。貢献できぬ者は貧困に陥ります。そんな動きがますます加速していくことでしょう。
まさに自己の幸福を追求する生き方は贅沢なことになるのです。
いまできること
それでも、自分でできることはなんなのか、どうしたら幸せを感じながら生きていけるのかを考えねばなりません。
社会の変化にいきなり目の前の梯子を外されたような気にもなりますが、手をこまねいて鬱々としていてはなんの解決にもなりません。
もし自分が働けず、年金受給額も半減したら?
単純に考えて、いまある財産を取り崩して生きていくしかありません。
もしも充分な財産がなかったら?
頼れるのは家族の存在でしょう。配偶者、親、兄弟、子供など、家族の誰かがピンチになった時、お互いに支え合うという家族間の信頼と絆が大きな安心材料となるはずです。
これは経済面においてだけではありません。精神的にも「一人ではない」と思えるのは大切なことです。
家族といえども他人以上に合わない人もいるのは確かです。私自身も兄弟とはそりが合わず何年も交流を持たずにきましたが、最近はお互いに行き来をし親の面倒や相続、老後のことなどを話すようになりました。
困ったときはお互いにサポートし合っていきましょうというわけです。
子供の世話にはなりたくないので、最初からあてにしないよう、大学を卒業したらあとは家を出てもらい完全自立していただくつもりですが。。。
今できることを思い浮かべてみれば、あらゆる事態を想定して、とにかく元気なうちに少しでも財産を増やしておくこと、そして家族と互いに助け合える関係を築いていくということくらいでしょうか。
そしてもう一つ。
周りの声に惑わされることなく自分の指針を持ち、自分にとって正しいと思う選択をするということです。
何かを得るためには他の何かを諦める。
一番欲しいものだけが得られればいい。
これは私が若かりし頃、慣れない家事と育児に不自由さを感じていた専業主婦生活の中で見つけた答えです。
具体的にどうとは言えませんが、その根本にあるのは、
欲張らず、
多くを求めず、
シンプルに生きる。
そんなところです。
これからの過酷な社会を生きていくためには、さらにそんな心持ちが必要になるのではないかと思うのです。
そうすれば、せめて心の豊かさくらいは感じられそうな気がします。
そして、いつも言っていることですが「健康第一」です!
心と体が健康でさえあれば、あとはどうにでもなるでしょう!