子供の頃からもっとも沢山食べてきた和菓子といえば、一二を争うのがこの『船橋屋』さんのくず餅でしょう。
とにかく大好きで、子供の頃はいつも今は亡き父に「くず餅食べたーい!」とおねだりしていました。
そのたびに父はわざわざ亀戸まで足を運び、くず餅を買ってきてくれたものです。
美味しいものには労を惜しまない人で、それは今でも感謝です。。。
そして今では、自分で買って食べています。幸いなことに現在は亀戸まで行かずとも、デパ地下含め販売店も増えたので、食べたいと思ったときにはすぐに食べられるのです。
前回食べた際、半分くらい食べた後で、「そういえば、ブログでは取り上げた事がなかったかしら?」と気付き、次こそは!とようやくお目見えです。
船橋屋
文化2年、江東区にある亀戸天神参道で創業以来、200年もの長い間、東京(江戸)の人々から愛されてきたお店です。
このくず餅は、東京の代表的な和菓子の一つといってもいいでしょう。
和菓子といっても気取ることなく、普段のおやつといった感覚で食べられる庶民な的なところも長らく愛されてきた理由の一つなのかもしれません。
元祖くず餅
サイズは色々ありますが、こちらは私がいつも買う中箱です。2〜3人用ですが、我が家はこのサイズで4人充分に頂けます
このくず餅は作るのに、なんと450日もの月日がかかるそうです。一体何故そんなに時間が必要なのかといえば、これは発酵食品だからなのです。
仕込み水で練られた小麦粉を450日寝かせたのち、自然発酵した小麦澱粉を蒸し上げるという手間暇かけたくず餅。
これを船橋屋さんでは「刹那の口福のためにかけられた時間」と表現しています。
いつも容赦なくパクパクと食べてしまいますが、製造にこれほどまで手間と時間がかかっているとは。。。
一口一口、ありがたく頂かねばなりませんね。。。
そんなくず餅の美味しさを引き立てるのが、ほんのりと甘味のあるきな粉と、コクのある黒蜜です。
こちらもたっぷりと用意されています。
ほのかに感じる酸味と弾力がありながらもふっくらと柔らかい口当たりは、唯一無比のくず餅といえます。
数種類の糖を煮詰めて作った自社製の黒蜜に、たっぷりきな粉をかけて食べると、まさに「口福」を感じます(笑)
考えてみれば、幼い頃から大好きで食べていた味を、アラフィフとなったいまも変わらず食べられるのは本当に幸せなことです。
消費期限と保存法
くず餅の消費期限は常温で2日です。今日買ったら、明日には食べ切らねばなりません。
保存料などは使用せず無添加で作られている上、風味を損なうという理由から真空パックなどにもしないそう。
保存する際、ついつい冷蔵庫へ入れたくなってしまいますが、このくず餅は常温保存です。冷蔵庫に入れておくと、次第に柔らかさが失われていくので、私はひんやりと食べたいときは、食べる少し前に冷蔵庫で軽く冷やしてから食べるようにしています。
美味しさから言えば、常温でも少し冷やしても変わらず美味しく頂けるのですがね。。。
冷凍保存もできません。一度冷凍すると食感、お味共に妙な感じになります。大昔に一度試したことがあるので確かです(笑)
なお、持ち歩きですが、常温で問題はないそう。夏の茹だるような暑さの中、長時間の持ち歩きはさすがによろしくないと思いますが、あまり神経質になる必要はないようです。
きな粉が先か、黒蜜が先か。。。
どっちが先でもいいじゃないのよ!
そう思わないでもありませんが、些細なことが気になってしまうこともあります。
このくず餅もそうです。食べる時、いつもどちらを先にかけるべきか?私は子供の頃から考えていました。
どこかに答えはないものか?
ググっとググったところ、そんな問題も簡単に解決。インターネット万歳です。
推奨されるのは、黒蜜が先だそうです。黒蜜をかけた後にきな粉をふりかけるのが正しい食べ方とのこと。
理由は明記されていなかったのでわかりませんが、作り手が言うのなら間違いないでしょう!
(今回、ブログ記事作成のために初めて箱の中に入っていた紙を読んでみたところ、しっかり「黒蜜が先」と明記してありました。せっかく用意されている説明書きも、これまで目もくれたことがありませんでした。。。何はともあれ「食べるのが先」なのです。笑)
店舗情報
本店は亀戸天神前ですが、他にも都内には販売店がたくさんあります(千葉、埼玉、神奈川にも数店舗あり)
直接販売店を訪れることができなくても、オンラインショップがあり、くず餅はもちろん色々なお菓子をも取り扱っているので、是非のぞいてみて下さい。
こよみスイーツ
船橋屋さんが200年の創業記念に作った「こよみ」というお店が広尾にあります。
ここではもちろんくず餅も買うことができるのですが、また一味違ったお菓子を楽しむこともできます。
私もくず餅、スイーツ、そしてランチにと時折足を運んでいるお気に入りのお店です。
こちらについてはまた後ほど。。。