お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

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長野旅行記 2019年8月 戸隠神社を巡る②奥社、九頭龍社までの道のり。クマスギの並木を抜けた先にある御神徳。

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8月の下旬でしたが、吹く風は涼やかで、お天気もすごぶるよく、とても気持ちのいい山の朝です。

長野駅を朝7時に出発し、戸隠高原フリーきっぷで一気に奥社入口まできました。

ここからいよいよ戸隠神社、奥社へ!

そういきたいところですが、ここで焦ってはいけません。まずはバスを降りたらトイレです!
これから山の中へ分け入ろうというのですから、次にトイレへ行けるのはいつかわかりません。

バス停のすぐそばに、ちゃんとトイレがあります。

準備万端整ったら、いよいよ奥社まで片道約2キロの旅です。

早朝であったせいか、人影はほとんどありません。

未知なる領域への侵入にワクワクしながら少し行くと、大きくて立派な鳥居が姿を現しました。
ここから、なんとなく空気が変わるのを感じたのは気のせいでしょうか?

歩いていると次第に車の往来の音が遠ざかり、サワサワとした木々の立てる音だけの世界となります。


「く、くま。。。」

思いもよらず、初っ端からこのような看板を見て、これからどんなに山の奥深くまで分け入ることになるのか?
いきなり心配になってきました。。。
ウォーキングで鍛えているとはいえ、山歩きはほとんど経験がありません。ましてや熊って。。。

それでも、自然の中に身を置くという非日常が新鮮で、歩みを進めるごとにいい気分になっていきました。

私って、実はアウトドアに向いてるのかも〜などと、鼻歌などを歌いながら15分ほど歩いたでしょうか、いよいよ前方に朱塗りの門が見えてきました。


随神門と杉並木

ここからは神域となります。悪いものが入ってくるのを防ぐための門です。

随神門の朱色と自然の緑のコントラストは、まさに「映え」する美しさです。

ここまでくると、すっかり下界から遮断された世界に感じられます。

長野県の史跡、天然記念物である樹齢400年を越えるというクマスギの並木道が500メートルに渡りつづいていきます。

ほとんど人のいないこの神秘の中で、静かにこれからの人生をどう生きるか?
自分と向き合ってみるわ。。。

などと、ちょっと格好いいことを考えてみたものの、不思議と頭がスッキリと空っぽになるのです。これはどうしたことか⁉︎ まさに無の境地です!

普段、邪念に満ち満ちている私の心の中。お友達からは「座禅にでも行きましょう」と誘われたり、「自分でメディテーション(瞑想)するといいわよ!」などとアドバイスを頂きますが、自分ではできそうにないわ。。。というくらい難しいことに思えていました。

しかし、どうでしょう!
自然美に圧倒されたのか、心は清々しくも無になっていたのでした。

延々と杉並木はつづいています。

自然の織りなす芸術です。杉の木がそびえ立つ景色も壮観ですが、足元もなかなか面白いものです。


2010年に放送されたJR東日本『大人の休日倶楽部』の撮影地となった戸隠神社ですが、その際に吉永小百合さんが中へ入ったため、その後真似をする人が増えたとか。
杉の木が傷むのを防ぐために、人が入れないように今はこうして紙垂がかけられています。

どれほど歩き続けたでしょうか?
行けども行けどもなかなか先が見えません。
人生も同じ、先が見えないというのは不安なものです。それでも目的があれば歩き続けられるものです。

そうこうするうち、平坦だった道が急勾配の石段に変わります。

この石段、270段あるそうですが、それよりも長く感じました。行けども行けども終わりが見えません。
息切れがします。滴る汗を拭いながらも登り続けます。
日頃のウォーキングの成果を遺憾なく発揮する時です!

まだまだ50代!行けるぞ自分!

目的に向かって突き進むのだ!

そう叱咤激励しながらヒーヒー言いながら歩きます。

すると、ようやく何か建物のようなものが見えてきました。
あれぞ目的の奥社です!

随神門から途中で景色の写真などを撮りながらゆっくりきたので、30分ほどかかりました。

手水舎の冷たい水でお清めしてから、参拝へ向かいます。


奥社(おくしゃ)

奥社は戸隠神社の御本社。御祭神は天手力雄位の(あめのたぢからおのみこと)で、開運、心願成就、五穀豊穣、スポーツ必勝などに御神徳があるとされています。

道中、人の姿はチラホラたまに見る程度でしたが、こちらにくると数十人の人が参拝していました。
順番を待ち、手を合わせ、しっかり参拝できました。

そこから左手に行くと、九頭龍社です。

九頭龍社(くずりゅうしゃ)


中を撮影することはできないので、遠くから。

御祭神は九頭龍大神様(くずりゅうのおおかみ)で、水を司る雨乞いの神様です。他にも縁結び、心願成就、そして虫歯の神といった珍しい神様がいます。

とても小さく質素なせいか、外国人観光客のカップルは分からなかった様子。近くにいた方が指差すと、「あら?」といった表情(笑)
それにしても、よくぞ遠くから来たものですね。長野のこんな山の上まで訪れるとは、よほど興味があるのかもしれません。ちなみにそのカップルはフランス語を話していました。日本語はわからないようですが、母国語で読めるパンフレットやインターネットサイトなどはあるのでしょうか?
余計なお世話ながら、ちょっと気になりました。





さて、そんな他人の心配をしながらも、しっかりと参拝させて頂きました。

私、虫歯はありませんが、何故か戸隠神社五社の中で、こちらの九頭龍社が一番心惹かれる場所でした。
それは訪れる前からで、「ここだけは参拝したい」と強く思っていたのです。

そんな九頭龍社で無事に参拝を済ませだ後は授与所へ。

9時少し前だったので、御朱印帳を抱えた人の後ろに並び、窓口が開くまで少しだけ待ちました。

祈祷おみくじ

ここでは御守りを買ったり、おみくじや御朱印をいただくことができます。

この時も、御朱印を頂こうと数人の方が並んでいました。私の周りにはほとんどいないのでピンとこなかったのですが、やはりこういうところを訪れると昨今の御朱印ブームを実感しますね。

私は御朱印集めの趣味はないので、こちらでの目的はおみくじです。
ここのおみくじ、普通と少し違います。ただ自分でひくのではなく、年齢を申告すると神職がその人のためにおみくじを引き、ご祈祷してくれるというもの。
つまり運を引くというよりは、自分だけに与えられる神意といえます。

このように、自分の数え年がわかる表があります。

自分の数え年を伝えると、神職の方が奥の方へ行き、割と大きな声で年齢を詠みながらご祈祷するので、周りの人に自分の年齢がバレバレです(笑)

私はあまり気にしませんが、女性なら気にする方もいるかもしれませんね。

しかし恥ずかしがらず、このおみくじは是非頂いて欲しいものです。

ここにある文言は、神々の物語にちなんだ和歌に神意が表されているため、その意味を汲み取るのはとても難しいのですが、何度も読み返していると、次第に理解できてきます。
よく考えながら読んだせいか、心に沁みました。。。

尚、子供用にはもっと簡単に書かれたものもあるそうです。

こちらのおみくじは木などに結んで残さずに、「一年間の指標として持ち帰りましょう」とあります。
もちろん私もそのお言葉に従い、持ち帰り、いまも読み返しています。

おみくじの他に自分用に御守りも。
開運龍水晶御守。

「この御守り、戸隠神社神域の圧倒的パワーが注入祈願されているんですって!」

外国人夫にそう説明したところ、、、

「これ以上パワーアップしなくていいです。。。」

そう複雑な顔。。。
私としてはここ数年勢いが衰えているのを自覚しているのですが、まだまだ表向には元気に見えるようです(笑)

帰り道

朝一で予定していた奥社、九頭龍社の参拝を無事に終え、次に目指すはお蕎麦屋さんです!

また元来た道を帰ります。
行きの登り坂はなかなかハードでしたが、下りは楽々です。

おみくじにも大変良いことが書かれていたので気分も上々。
この後は、お楽しみのお蕎麦屋さんが待っています!

奥社へ向かう途中は心を無に、額に汗して懸命に歩みを進めた私ですが、そんな慎しみ深き私は何処に???

帰りはどうしたわけか、気分は『もののけ姫』です。
山の中にポツンと一人でいると、まるで山犬に育てられた「サン」にでもなったような気分です!







「山犬は何処におる!」

「アシタカ!ヤックに乗せて私を蕎麦屋まで連れておいき!」

などという、おかしな妄想が頭の中に広がってきたのでした。もう邪念どころではありません。
しかし、そんな妄想に真面目に酔いしれることができるほどに、そこにある自然は現実離れしているように感じたのでした。

さすがに最後には正気に戻り、あまりのバカバカしさに、一人で笑ってしまいました(笑)
山道で一人ケラケラ笑いながら歩いてる中年女。気持ち悪いです。

誰もいなくてよかった。。。

しかし、随神門へ戻る頃には、人も多少は多くなってきたようです。これから奥社へ向かう人達のようですが、チラホラとすれ違う人が増えていきました。

再び朱塗りの随神門を抜け、また来た道を歩き、奥社入口まで戻る道すがら、向かいから歩いてきた若い男の子のグループが突然立ち止まりました。

なにかしら?と思ったら、熊を目撃したというではありませんか⁉︎

もしや、あの看板にあった熊なのか⁉︎

「大きかった?」

「そこそこ」

「黒かった?」

「はい。真っ黒でした」

「怖い!私一人なの!一緒にもどって!」

などと無理なお願いをしましたが、当然のことながら一笑に付されたものの、今時の若者は優しいです。

「僕たちはこれから奥社へ向かうので、あわてて転ばないよう、気をつけて戻ってくださいね」

そう爽やかな言葉をかけてくれたのでした。

ああ、これもご利益の一つだわ。うふ。

そんな些細なことに気分を良くし、熊への恐怖は脇に追いやることができました。そのお陰か、奥社入口に到着したのは10時前。

それでも2時間近くは歩き続けてきたことになります。さすがに疲れました。
幸いなことに中社へ向かうバスも10分ほどで到着するというグッドタイミングです。
しばしバス停に腰掛けて、バスを待ちます。

バスはこのパーキングの端にあります。


近隣にはちょっと時間を潰せる場所もあります。


ほどなくすると、ほぼ定刻通りにバスがやってきたので、「戸隠高原フリーきっぷ」を手にバスに乗り込みました。

そして5分もかからず目的の中社大門前に到着。

ここまでは予定通り、なかなかよい調子。
この後、お蕎麦屋さんで美味しいブランチを頂き、戸隠神社残り三社を巡ったのでした。。。

③につづく。。。

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