お正月はご馳走を沢山食べるので、常に満腹状態でさすがにガッツリとお菓子を食べようという気になりません。
しかし、それでも「ちょっとだけ甘いものが欲しい。。。」と思うのはいつものこと。
そんなときに最適なお菓子があります。
カテゴリーからすると「飴菓子」になるそのお菓子とは、創業延宝3年という宮城県仙台市の老舗、『九重本舗 玉澤』さんの有名なお菓子
『霜ばしら』です。
このお菓子、まだ子供たちが幼い頃、お稽古事のお迎えで一緒になったママ友達から頂いたものです。
初めて口にしたとき、そのあまりに儚い食感に驚いたものでした。
それは刹那の口福と言いましょうか、一瞬でサラッと溶ける、まるで魔法の飴だったのです。
以来、デパ地下の銘菓売場などで稀に見かけると、必ず買うお菓子になりました。
とはいえ、このお菓子は冬季だけの限定販売です。10月から4月までの半年間、東京で見つけようと思えば、よほど狙っていない限り難しく、ほぼ偶然は期待できないものなのです。
霜ばしら
『霜ばしら』は霊峰・蔵王の嶺々が白く染まり、麓にも霜柱が立ち始める頃に、菓子職人さんが手作りで創りだすお菓子です。
まるで降り積もった真っ白な雪の中から、宝物を探すようにして、慎重に飴を探ります。
白いお粉の中に、びっしりと飴が詰まっています。
とても壊れやすい飴なので、最初の一つを取り出すのがなかなか難しいのですが、多少欠けてもいい!というくらい思い切って角を持って引っ張り出してしまえば、案外きれいに取れたりします。
説明書には楊枝などで隙間から引き出すといったことが書かれていますが、私はそれだとうまく出来ないのです。
『霜ばしら』が壊れてしまわないよう、飴は餅米を原料とした真っ白ならくがん粉で守られています。
それがまた粉雪のようで、見た目も風流なのです。
とても壊れやすく、衝撃はもちろん熱や湿気にも弱い繊細なお菓子なので、丁寧に扱います。
一つお口に含むと、1、2、3でホロホロと溶けていきます。そしてシンプルな飴の甘さが広がります。
断面はこのように、霜ばしら状です。どこから見ても『霜ばしら』なのです。
圧倒的なまでにシンプルな美しさですが、その味もまた、溶けた途端に余韻を断ち切るような、潔い後味のスッキリとした上品な甘さです。
崩れたところもまさに『霜ばしら』です。キラキラとまるで氷の結晶のよう。
本当に綺麗なお菓子です。
ちなみに入っている枚数ですが、これまで実際に数えたことはないので確実な枚数は分かりかねますが、ざっと指で触れてみたところ40枚は確実にあの白いお粉の中に隠れていますね(笑)
“冬だけ逢える 優しい口どけ”
と言われるように、まさに寒い時だけのご褒美菓子なのでした。
残ったらくがん粉
さて、飴を食べ終わってしまった後、残ったらくがん粉はどうするかといえば、これも捨ててはいけません。
同封の説明書にも食べ方が記されています。
乾燥したフライパンでじっくりと弱火で炒って、少し色がついてきたら火から外します。そこに少しだけお砂糖とお塩を加えて出来上がりです
色の違いはこんな感じです。
本来はこのまま食べるものですが、香ばしさもありお味は問題ないのですが、私にはどうも粉々とした食感が食べづらく感じて食がすすみません。
そこで、考えた秘策。。。
らくがん粉汁粉です!
たいそうな名前をつけていますが、要は上記の炒ったらくがん粉に餡子を加えるだけ。
正確にいえば、餡子をらくがん粉にまぶして食べるといった方がいいでしょう。
これがなかなかで、きな粉をまぶした餡子を食べているような、焼いたお餅に餡子を乗せて食べているような。。。
ん〜、どれも違うのですが、それ風な独特なスイーツになります(笑)
なかなか美味しいので、ご興味のある方はお試しあれ。