いつの頃からか、姿を見なくなった激辛の塩引鮭。一昔前までは街の小さな魚屋さんでも手に入ったものですが、いつしかその姿は完全に姿を消し、鮭といえば甘口が主流になりました。
健康ブームからいえば当然の流れですが、たまに食べたくなるのです。あの恐ろしいまでに塩辛い鮭が。
まれにデパ地下などで見かけても結構なお値段だったりします。
この値段を払うなら、中辛に塩でも振って焼いた方が?と思うところですが、全然違うのです。
塩引鮭はその製法から異なるので、ただ塩辛いというだけではなく、独特の味わいがあるのです。
まさに五臓六腑に染み渡る塩辛さとでも言いましょうか、とにかくパンチのある鮭なのです。
これを毎日食べるのは、確かに塩分摂取過多となるでしょうが、たまに食べるのなら、背脂ギトギトのラーメンやバターたっぷりのケーキを食べるのと同じ。
たまーに食べる分には問題ないと私は思っているのです。
さて、年末に築地場外市場へお買い物に行った際、そんな激辛鮭を見つけました。
しかも一切れ、確か300円くらい。デパ地下の3分の1といってもいいお値打ち価格です。
これは専業主婦にとっては素通りできません!
「わぁー!塩引!」とはしゃぐ私に、外国人夫はといえば、「ただの日本のサーモンじゃないのか⁉︎ 何がそんなにすごいんだ⁉︎」と、不思議顔。
しかしお店のお兄さんは、「珍しいよね。いまは。お姉さん好きなの⁉︎」
などと、「お姉さん」と呼ばれて気をよくしたわけではありませんが、「5切れください!」と、声を張り上げてしまいました(笑)
この激辛鮭ですが、とにかく日持ちします。元々は保存食という位置づけなのでしょう。お店の方に「どれくらい日持ちします?」と尋ねたところ、「2ヶ月でも3ヶ月でももつよ」と。
その塩辛さから普通の焼魚のように、一度に一切れ食べられるようなものではありません。
小ぶりの一切れを焼けば、それこそ4回、5回分に分けて食べられます。
つまり、普通の一口がこの激辛にかかれば、ほんのひとつまみ程度しか必要ないということです。
これをストレートで食べる人はあまりいないでしょう。お酒のあてにちびちび摘むこともあるでしょうが、、私のようにホカホカの炊き立て白米と一緒に頂くか、たまにお茶漬けにしてみたり、おむすびの具にしたり。。。
いずれにしても一度の消費量はごくわずかで済みます。
経済的でありながら日持ちもする。これは主婦にとって最高の食材であるといえましょう。
私は普段あまり白米は食べないのですが、もういい歳なので、肉ばかり食べていないで、白米に焼魚なんて朝食に変えてもいいかも!
そんなこんなで、お持ち帰りしてきたというわけです。
今回私が訪れたお店ですが、名前は失敬してしまいました。場所だけは覚えていて、ちょうど場外市場のある東通りと波除通りのぶつかるあたりです。
間口の小さなお店でしたが、鮭だけでなくタコなどいろいろ魚介が並んでいました。
そして買ったのがこちら。これだけあれば、当分はもちます。
見た目ではどれだけ塩辛いか、想像がつきませんね。しかし、焼くとわかるのです。
早速焼いてみると。。。
ぶわっと塩が。。。。
中はちょっと赤みは強いものの、普通の塩鮭と同じです。
これくらいの鮭で、ご飯軽く1膳食べられてしまいます。
塩分摂りすぎになる可能性もあり、注意は必要ですが、健康に問題さえなければ、たまの楽しみにこんな懐かしの鮭もいいものです。
今回久しぶりに食べてみましたが、やっぱり美味しい!ご飯がすすみます。
「ああ、塩っぱかった!」
そして、その後に食べる甘いものはさらに美味しく感じるのでした。
ちなみに、あとで調べてみたところ、築地には何軒か激辛鮭をお取り扱いしているお店があります。
まだまだあるのですね。昭和の味が楽しめるお店が。。。嬉しいです。