最近、若者の間で純喫茶が脚光を浴びているらしいですね。
かねてから昭和な雰囲気漂う喫茶店好きを公言している私にとって、これは嬉しい限りです。
舶来のチェーン系カフェにどんどん攻め込まれ、かつてあった懐かしの純喫茶はどんどん姿を消しています。
もはやゆっくりとくつろげる喫茶店を探すのも一苦労。
そんな中で再び脚光を浴びているといいますから、需要ができれば減り続けることにブレーキがかかり、かつてのように賑わいを取り戻すのでは⁉︎
などと期待しています。
最近、新宿あたりでは若者をターゲットに、行列を作っている純喫茶もあるそうな。。。
そういえば、以前上野の『ギャラン』という有名な喫茶店へ入ったところ、若者どころか、制服を着た修学旅行の高校生達が何組か来店していて、驚いたことがありました。
本来なら「ここ!ここ!」と、若者がわざわざ立ち寄るようなお店ではないので、何事かと思っていたのですが、どうやら昭和な純喫茶の流行によるもののようです。
上野、御徒町周辺も昔からある純喫茶がいくつかありますが、新たな昭和喫茶スポットを見つけました。
それが「おばあちゃんの原宿」と言われる巣鴨です。
先日、巣鴨をぶらぶらとしている時に、偶然見つけた純喫茶。
この街はさすがお年寄りのワンダーランドだけあり、まだ昭和が生きていました!
全ては網羅できませんが、今回は入ってみたお店を3つ、そして純喫茶とは少し雰囲気が異なるものの、今では東京都民もこぞって訪れる人気の名古屋喫茶を1店、計4軒の喫茶店をざっとご紹介します。
『伯爵』
まずは恐らく巣鴨では一番有名な純喫茶?
池袋にも同系列のお店があり、そちらの方が知名度は高いかもしれません。
巣鴨店はJR「巣鴨駅」を出て、左側にあるロータリーを超えてすぐ、大通り沿いにあります。徒歩で2分くらいでしょうか。
白い螺旋階段のちょこっと奥に見えます。
こちらは裏通りからの入口です。私は間違えてこちらが表と思って入ってしまいました。出る時に気付いて表通りから退店したのですが、表から入るとすぐ禁煙席、裏からだと喫煙席となっています。
店内に入ると、上野の『ギャラン』ほどではありませんが、そこそこギラギラの雰囲気です。
これぞまさに、昔よくあった喫茶店の模範系!
ああ、昔は繁華街に行けばこんな店がたくさんあったものねぇ。。。と思わせる店内です。
天井にはいろんな形のシャンデリアが。
広々とした店内。それゆえに隣の席との間隔もゆったり。
メニューの方も昔懐かしのラインナップ。
ウィンナーコーヒー!レモンスカッシュ!クリームソーダ!紅茶はアールグレイなんかなくて、ダージリンオンリー!
サンドイッチにピザトースト、スパゲッティー!パスタじゃダメです。スパゲッティじゃなきゃ!
おっと、これは昨今の若者による純喫茶人気を狙ってでしょうか⁉︎ パンケーキがスフレタイプというのが、昭和を脱し平成チックで、若者に寄り添っている感がありますね(笑)
こちらはオリジナルの「ドリア」です。
今回は夜ご飯のためにお邪魔したので、ナポリタンかグラタンあたりを考えていたのですが、熱々なものがいただきたかったので、こちらをオーダーすることにしました。
できることなら「グラタン」が望ましいところですが、なかったのでこちらで手を打ちました(笑)
純喫茶のよいところ、それは熱いおしぼりです。いまは使い捨ての薄いウェットペーパーがほとんどですが、この分厚くて熱いおしぼりでゴシゴシを手を拭くと、スッキリ綺麗になった気がします。
さて、お待ちかねなドリア登場。熱々です。
焦げ目のついたクリームソース、ピーマンの輪切りが入っていて、上からパルメザンチーズをかけて焼いてあります。
紫玉ねぎのスライスののったキャベツの千切りサラダがついてきます。ドレッシングはゴマドレッシングでした。
そして、喫茶メニューには欠かせないアイテム「タバスコ」!
これをダクダクとかけて食べるのが好きです。ナポリタンなどスパゲッティーにも同様にダクダクかけます。
これができるのはさすが純喫茶です!
食後のコーヒーは普通のブレンドを注文。
概して純喫茶のコーヒーは美味しいですね。
元々コーヒーを飲む場所という位置づけのせいでしょうか、特別な豆を使って、特別に抽出しているなどという洒落たものではなくても、どこもレベル高いしと言えます。
コーヒーでも飲みながら食後のデザートも欲しかったのですが、このあとケーキを食べる予定を控えていたので、今回は残念ながらパス。
この日は一人で本などを読みながら、小一時間の滞在でした。
私がお店に入ったのは夜7時くらいだったのですが、その時は店内にポツリポツリと間隔を開けて、何組のお客さんがいる程度でした。
しかし8時近くなると、結構な割合で席が埋まってきました。
元々スペースが広いので、ある程度人が入っても閉塞感はまったくありません。
なんとも居心地のよい場所です。
食べて飲んで、くつろいで、お会計は税込で¥880という安さです!
ドリアもコーヒーも美味しかったし、おまけにお安い!そしてなによりも静かなところでゆっくりくつろげて、よい時間を過ごせました。
またこの街に来た際は、必ず足を運ぶことになるでしょう。
『プルメリア』
『巣鴨地蔵通商店街』の中ほど。
入口が奥まっている上に2階なので、わかりづらい感じはありますが、表にオレンジの看板が出ています。
奥まったところに『岡埜栄泉』さんという和菓子店があるので、それが目印。
奥に入っていくと、大きく案内が出ていますので、その脇から階段を上ります。
ぬいぐるみが置かれている先が入口のドアになっています。
こじんまりとしていながらも明るい雰囲気のお店です。
モーニングもありましたが、この日は朝食をいただいた後。お買い物の途中で寄ったので、お腹も空いていなくていただくことができませんでした。残念。。。
お水と熱々おしぼりが出てくるのは、もはや昭和喫茶のお約束。
朝、コーヒーを飲みすぎたので、ここでは紅茶にしました。もちろん、紅茶の種類は一択「紅茶」です!
普段は「アールグレイしか飲まないの」などと言っている私ですが、これでいいのです。これが昭和喫茶なのですから。
とっても感じのよい年配の女性が一人で接客。キッチンにはやはり年配の女性が一人。
お客さんは地元の方と思われるご年配のおじさまが多かったです。
入口が奥まっていて、なおかつローカル感満載のお店なので、地元のお客様が多いのでしょう。
昭和喫茶にありがちな全席喫煙可でしたが、お昼前の静かな時間に訪れたせいか、たまたまスモーカーがいなかったせいか、臭いはまったく気になりませんでした。
『伯爵』のようなゴージャス感はありませんが、こちらもまた昔よくあった個人経営の喫茶店で、とても落ち着けます。
基本、金曜日は定休日(と、常連らしきおじさま方が話していました)。
『貴族』
こちらのお店は『プルメリア』と同じ『巣鴨地蔵通商店街』の中ですが、かなり奥の方にあります。
お店はこじんまりとしていますが、入口がなかなか堂々としていてわかりやすいです。
お茶だけでなく、こちらではお酒もいただけます。カウンターにボトルなどが置いてあったので、てっきり昼間は喫茶店、夜はバーという形態かと思いきや、終日お茶もお酒もOKの喫茶店でした。
「お酒は提供しない」という純喫茶の定義からすると、こちらのお店は純喫茶という括りではありませんが、昭和な雰囲気は満載です。
こちらはお友達とワイワイ来るというよりは、お買い物に疲れた時に、一人でぶらりと立ち寄り、一休みするのに最適です。
静かで、コージーな雰囲気。昔はよくこんな喫茶店がありました。
コメダ珈琲店
こちらは有名な『コメダ珈琲店』。純喫茶とはちょっと雰囲気が違いますが、昭和っぽさを感じられる点ではずっと行ってみたかったお店です。
チェーン展開しているので、あちこちにあるイメージですが、生憎我が家の近隣にはなく、訪れる機会がありませんでした。
巣鴨店は地下鉄入口から『地蔵通商店街』に入る手前にあり、駅から至近です。
お店は2階になりますが、早朝は階段のある入口の鍵が閉まっているのでエレベーターで上へ。
私が訪問したのは朝の8時くらいでした。
待っている人がいなかったので朝は空いているのかと思いきや、ほとんど席は埋まっている状態。
それでも運良くすぐに通していただけました。
モーニングメニューです。
名古屋モーニングといえば、やっぱり「名古屋名物小倉あん」をお試しするべきと、そちらをオーダーしました。
ドリンクは好きなものでOKということで、ウィンナーコーヒーに。
朝から餡子にクリームです。
ランチメニューも魅力的です。
それにしてもお安いですね。人気なのもわかります。
このチョイスにこのお値段なら、ちょこちょこと使おうという気になるでしょう。
あんかけスパも食べてみたい。。。
見ていると名古屋へ行きたくなります(笑)
ほどなくすると、モーニングがやってきました!
厚切りトーストが半分。8枚切りなら1枚分くらいですね。
あらかじめバターが塗られています。
餡子は普通のアイスクリームディッシャー、1スクープ分より若干小さいくらい。
餡子&バターの組み合わせ、まずいわけはありません。
今は餡子とホイップクリームという組み合わせもよくありますが、私はバターの方が好きです。
キャベツの千切りにポテトサラダの乗ったミニサラダ。
モーニングには茹で玉子の付け合わせオンリーという店もありますが、私は普段から1日3食、生野菜が欲しいのでこれは嬉しい。
ミニサラダにも関わらず、ドレッシングはボトルごと2種類用意してくれます。
和風ドレッシングに和風テイストのサウザンのような味のオリジナルドレッシングでした。
クリームたっぷりのウィンナーコーヒー。
朝から甘いものをたくさんいただいて、大満足です!
このお店、かなり混み合うようですね。
私が入店した8時台になると、かなりの人が来て、席が空くのを待っていました。
この巣鴨店のみならず、どこの支店もかなり人気のあるお店だそうですが、それもなんとなくわかります。
昭和喫茶のテイストを残しながらも、名古屋グルメという独自のメニュー展開。そしてこのお値段と店内の雰囲気。
これは老若男女、楽しめるお店だろうなと思いました。
ずっと試してみたかった『コメダ珈琲店』のモーニングをようやく念願かなっていただけました。
まとめ
今回の滞在では時間的にこの4軒しか訪れることができませんでしたが、この街は探せばもっともっと昭和の雰囲気漂う純喫茶がありそうです。
シアトル系など手軽なカフェが席巻している昨今、この街はまだまだ昭和の雰囲気をたずさえたお店が頑張っています。
喫茶店巡りをするだけでも、この街を訪れる価値はありかと思ったほど、楽しむことができました。
お店の雰囲気のみならず、メニューのほうも「食べたい」と思うものが盛りだくさんだったので、是非また足を運んでみたいと思いました。