お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

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ひとり旅本を読んで。私にとっての「ひとり」と、これから迎える第二の人生について。

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今日はお菓子とは関係のないトピックなので、サブブログの方へ投稿しようかとも思ったのですが、元々カオスなこのブログ、どうせなら一番アクセス数の多いメインブログの方にしました(笑)

いつもお菓子を食べながら韓流ドラマばかり見ているイメージを持たれていると思うのですが、そればかりではありません(笑)
第二の人生を充実させるために、旅を中心とした様々な計画を立てていました。しかし、コロナ禍でそれも実現が難しい状況が続いています。
東京では4度目の緊急事態宣言です。
東京オリンピックありきのゆるゆる政策を続けていたのですから、それも当然の結果かと思いますが、度重なる旅行のキャンセルに気落ちしながらも、いまは旅のブログを見たり、本を読んだりしながら、気持ちを紛らわせています。

そのうち自由に旅ができるようになるかなと、希望を持ちながら、今後を思案中というところですが、これからご紹介する本は、コロナ禍でのキーとなるであろう「おひとりさま」について書かれた本です。





『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』

この本の著者である月山ももさんは人気の旅ブロガーで、登山や温泉についての投稿を数多くしている方です。
ほとんどおひとりで旅をなさっているようで、ブログもこの本も、「おひとりさま」仕様です。

私よりもずっとお若い方の書いた本ですが、「これから第二の人生でも楽しんでみようか!」という世代にとっても、ちょっとしたアイデアになるような内容もあり、温泉や登山に興味のないおばさま、おじさま方にも是非おすすめしたいなと思いました。

元々、同じ『はてなブログ』で、この方のブログを「温泉旅」のリサーチ目的で読んでいましたが、こちらの著書は「ひとり旅」についてだけでなく、人生を楽しむためにそれを手繰り寄せる体験談のように受け取れる部分もあり、私にとってはそこも興味深いものでした。

この本は「ひとりを楽しめる」タイプの人に向けて書かれたそうですが、ひとりの楽しみをまだ知らない人にとっても、新たな好奇心を抱かせる内容ではないかと思います。

そういった意味でも、経験値が高くなればなるほど臆病になりがちな中年世代にとっても、第二の人生を楽しむ一助になるのではないでしょうか。

誰かと一緒に楽しむのもいいものですが、「ひとり」もそれと同じくらいの楽しさがあるものです。

ちなみに以下、書評ではありませんので、あしからず。。。

「ひとりを楽しむ」

この本を読んで改めて気づいたのが、令和の時代になってもなお、「おひとりさま」は特別視されているということです。

私は若い頃からひとりで食事をしたり、旅をしたりすることが当たり前でした。なんでも自分のペースでやりたいという協調性のなさから、ひとりで行動することよりも、むしろ人と一緒の方が難しいと感じていました。

最近、本屋さんで「おひとりさま」関連の本がたくさん並んでいるのを見て、ひょっとして今は「おひとりさま過渡期」なのかしらと思いました。
本になるくらいなので、私が想像していた以上に、「おひとりさま」需要が増えているのかもしれません。
(ただ、「おひとりさま」と、あえて強調されるのは、いまだマイノリティーと捉えられている可能性もあり?)

いつの時代でも、おひとりさまを求める人は、少なからずいると思いますが、特に東京で生まれ育つと、「おひとりさま」が特別と感じにくい部分はあるかなと思います。
それは「ひとり」になりたいと思う機会が多いせいかもしれません。

わざわざ一人暮らしすることもないので、よほど「この家を出たい」という思いでもなければ、成人してからも親兄弟といった家族と同居している人がほとんどだと思います。
これは東京に限ったことではありませんが、地方と違うのは行き場がたくさんあるという点です。

例えば学校や仕事帰りにひとりになりたくなることがあります。そんな時、ひとりでふらりとお茶を飲んだり、お酒飲んだりするわけですが、お店の選択肢もある程度あり、行き場所がないということはありません。

お茶を飲むのも喫茶店、カフェ、ファーストフード店、お酒にしてもバーから居酒屋、小料理屋のようなところまで、ひとりで心地よく過ごせる場所の選択肢が広いのです。
つまり、おひとりさまでいられる土壌が整っているということです。

また、町中誰もが知り合いということもないので、人目を気にせずに行動できたりするのも、ある意味おひとりさまに適した街なのだと思います。






おひとりさま色々

もう一つ気づいたのが、「おひとりさま」にも色々なタイプがあるのかもしれないということです。

元々ひとりが当たり前で自然とそうしている「ひとり世界の住人」と、「ひとり世界の住人」になりたいけれど、そこに足を踏み入れる勇気のない人、そして努力をして「ひとり世界の住人」になった人がいるのだということです。

さらに想像してみれば、「ひとり世界」なんて嫌なのに、そこに住まざるを得ない人など、やっていることは同じ「おひとりさま」でも、色々なタイプがあり、それぞれ「ひとり」に対する思いは異なるのだろうということです。
「おひとりさま」の深さを知りました。。。

この本で山登りについても書かれているのですが、そこで「ひとりではできないこと」また「ひとりより誰かと一緒の方がいい」というケースにも触れられていました。

私もまったく同感で、普段は「おひとりさま」が一番!と言っていても、そんなことばかりではないという経験もしてきました。

ひとりでいることが好きな人間でさえ、誰かが一緒であったら。。。そう思うこともあるので、ひとりが苦手な人は、あえてひとりにこだわる必要もないかと思っています。

お友達と一緒の方が楽しめる人は、お誘いすればいいと思います。実際にほとんどの人はそうしているはずです。

それでもやっぱり、ひとりになりたいとか、誰かと行動するのが面倒だと感じた時は、ひとりになればいいのです。

今は昔と違って、生きにくい社会だなと感じることが増えました。
50を過ぎた私でさえそう思うのですから、働いたり子育てをしたり、日々を忙しく過ごしている人達にとってはなおさらでしょう。

人は誰しも、パーソナルタイム、パーソナルスペースが必要なものだと思います。特に疲れた時などは、静かなところでひとりで過ごしたい、そう思うこともあるでしょう。

私もずっとそうでした。





はじめての “ひとり“

私が中学生の頃は、まだ東京のJR駅にも立ち食い蕎麦屋さんのある駅がたくさんありました。

駅蕎麦と言えば、この本にも渋谷駅の有名店「しぶ蕎麦」(すでに閉店しています)が登場していますが、それよりももっと電車に近い、まさにホームにあるお蕎麦屋さんです。

多分私の「おひとりさま」デビューは、そんな駅の立ち食い蕎麦屋さんだったと記憶しています。
中学生のお小遣い程度でも楽しめる、ひとりの外食は当時限られていました。
マクドナルドのようなファーストフード店や喫茶店もありましたが、制服での出入りを快く思われないところも少なくありませんでした。
その点、駅の立ち食い蕎麦屋さんは、いつも元気なおばちゃんが「お腹すいたでしょう〜」と明るく出迎えてくれたので、遠慮なくお腹を満たすことができたのです。
もはや常連でした(笑)

サラリーマンと肩を並べ、制服姿の女の子が熱々のお蕎麦を啜っていたのですから、その姿を想像すると、少しおかしくなります(笑)

今もそうですが、食欲の前では人目などどうでもよくなってしまうのだと思います。

昭和のおひとりさま

大人になってから、駅のホームにあったお蕎麦屋さんは、少しずつ姿を消していきましたが、私も成長したので、更にひとり行動の範囲は広がりました。

ただ、思い返してみれば、当時はたとえ東京にいても、女の子の「おひとりさま」は、今以上にポジティブにはとらえられていませんでした。
昔からあまり周りを気にしない性格だったので、居心地の悪い思いをすることはありませんでしたが。。。

街中のお蕎麦屋さんからラーメン屋さん、洋食屋さんから焼肉屋さんまで、ひとりで食事をし、夜なら居酒屋やバーなどでボケッとしていましたが、不思議とひとり入店を拒否されたり、店主から嫌な視線を向けられるようなことはありませんでした。

ただ、お店の人達ではなく、お客さんや周りにいる人が、コソコソ、ジロジロっとした視線を向けてくることは、少なからずありました。

地元のラーメン屋さんや居酒屋などにいるところを男友達に目撃されたりすると、「女のくせにひとりでなにやってるんだよ。みっともないなぁ」などと、言われたりすることはよくありました。
なにがみっともないのだか、まったくわかりませんでしたが。。。

それを言った男友達もいまや50代。どこで何をしているのか知りませんが、きっと会社の若い女子たちに「時代錯誤の能無しバブルオヤジ」などと陰口を叩かれているかもしれません(笑)





ひとり山

私は登山はしませんが、一人での山歩きはすごく好きでした。静かで美しい景色に囲まれ、心が洗われるような自然に触れることは、都会では決して得られないとても貴重な体験です。

20代の頃、仕事で東北地方などを回ったりしたことがあるのですが、夏の八甲田山を貸切り状態の路線バスで走ったり、岩手や秋田などの緑の中を歩いたり。
それは登山には遠く及ばないことでしたが、緑だけに囲まれて過ごす初めての経験でした。

でも。。。今はそれが怖くて、躊躇してしまっています。

以前、長野の戸隠へ行ったのですが、ちょうど閑散期で観光客も少ない時期でした。
より静けさを求めて古道を選んで歩いていたのですが、たまたま前から歩いてきた人に「あなたのすぐ後ろに熊がいましたよ!」と言われ、振り返ると、すこし離れたところに真っ黒な熊がノソノソと歩いていて。。。その時、ものすごく怖かったのですが、山を抜けるには歩き続けるしかありません。 

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そのとき誰もいない山の中を一人で歩きながら、本当に怖くて、もう熊と戦う勇気もないし、鈴も持ってないし、無理だなと。こんな時、一人ではなくて誰かいてくれたら。。。初めてそう思ったのです。

それがトラウマになって、登山はおろか、山の中へ入るのも怖いのです。

慎重さを要する登山は私の性格には合わないので、挑戦する気はないのですが、やはり素晴らしい景色を堪能している方々がいる思うと、すごく羨ましさがあります。

それが、この本を読んでいて、新たなアイデアを頂きました。

「山に登らなくても、山を見上げて、その景色を楽しみながら歩く」

それだけでもいいのでは?ということです。

「まずは「登らない山」を目指す」
という項目では、「湿原を歩く」という楽しみ方が紹介されています。
これなら私でもできそうです。

他にも、
「ロープウェイやバスで一気に高度を上げる山へ」
という項目では、その手があったわ!と目から鱗でした。

ロープウェイやバスを使えば、私でも素敵な景色が拝めるところまで登れる!という気づきです。

そんな様々な楽しみ方があるのだなと思ったときに思い出したのが、一枚の写真でした。

それは街の通りから由布岳を望む写真でした。
もうそんな写真の景色ですら、心が洗われるような気持ちになるのですから、その空気や音、目の前に広がる景色を生で見たら、ものすごく感動するだろうなと。それが想像できるようでした。

登山は無理でも、山の楽しみ方を色々と想像できたのは、大きな収穫でした。

付け加えるなら、「登山も楽しんでみたい」という方には、さらに参考となる項目がたくさんあります。





ひとり温泉

私はお風呂が好きで、少しくらいの不調はお風呂に入れば治る。というくらい、お風呂にばかり入っているので、当然温泉も大好きです。

私が子供の頃、実家では季節が変わるたびに数日間、箱根や伊豆の温泉旅館で静養するのが習慣になっていました。
父の趣味のようなものだったのか、突然「温泉でも行くか」と、無計画に決行されるのが常で、私はそれがいつくるか⁉︎と、いつも楽しみでした。
ただ、子供だったので、温泉を楽しむというよりは、旅そのものが楽しかったのですが。。。

温泉が気持ちいい!と思うようになったのは、10代の終わりから20代になった頃だったと思います。

山の方で音楽フェスのようなものがあって、その帰りに温泉に立ち寄り、汗を流したときの気持ちよさ!
また、冬にはスキーの後の温泉。これも格別でした。
当時は車で新潟方面へ行くことが多かったのですが、私だけスキーを早めに切り上げ、ひとりで温泉につかりのんびりしていました。
それがまた格別に気持ちが良くて!

ひとりで温泉旅館になど泊まれない時代だったので、一緒にスキーへ行くお友達がいてくれたことで、温泉も楽しむことができました。

ひとり旅は自由でいいと思っていましたが、あの時代はひとりだからこそ不自由なこともあったのです。

音楽フェスやスキーとセットになった温泉だったからか、とにかくその気持ちのよさと開放感は素晴らしいものがありました。この本では、山と温泉のセットで、想像するとまたそれも気持ちよさそうだなと思います。

そんなふうに温泉の楽しみを知ってからは、出張などで地方へ行った際、ホテルに宿泊しながらも時間が許す限り、ひとりで「立ち寄り湯」などを利用して温泉を楽しんでいました。
ただ、温泉を楽しんだすぐ後に、電車やバスに乗ってホテルに戻るのは、なんとなく味気ない感じがしたものです。


ある程度歳を重ね、海外へ飛ぶのが億劫になったら、ひとりでゆっくり国内の温泉巡りでもしよう。。。

そう思ったのが20代の頃です。

20代はほとんど海外で過ごしていましたが、あちらでも相変わらずのひとり旅を楽しみました。
B&B(ベッド&ブレックファースト)という、日本で言えば民宿のようなところがたくさんあったので、おひとりさまOK。不便を感じることはありませんでしたが、日本の「旅館」とはやはり別物です。何よりも温泉がありませんでしたし。。。

思い描いた通り、20代は一人で海外の旅を楽しみ、30代、40代は「ひとり」から離れ、夫と子供と共に過ごし、現在50代です。
気づけば、その時が来ていたのです。





これからの「ひとり」

若い頃、女性がひとりで泊まれるところなどほとんどなく、それでもやっぱり旅はひとりがよかったので、結局温泉宿ではなく、ホテルばかりでした。

素敵な温泉旅館に連泊して、ひとり温泉を思う存分に楽しみたいと思いましたが、ひとり泊を受け入れてもらえない時代だったのです。

私があちこち寄り道をしていたこの30年の間に、社会も大きく変わりました。

私が月山ももさんのブログを読むようになったきっかけも「ひとり泊」できる宿の情報収集からでした。

この本の中にも、ひとり泊OKの温泉宿が紹介されています。
お宿の様子から、温泉、お食事など詳しく書かれているので、とても参考になります。

今年、長女が自立し家を出て、次女も来年には成人します。
最初の子供が産まれた時、これまで好き勝手自由に生きてきたのだから、子供が自立するまで、家族のために頑張ろう。そして子育てが終わったら、また好きなことをすればいい。
そう思っていて、当時の計画では40代で上がりと思っていました。
しかし、子育ては長かった(笑)
結局、20年以上かかり、気づいたら50歳をとうに過ぎていました。

しかし、ようやく念願のその時がきました!

そう思ったら新型コロナで、身動きできなくなり、ちょっと昨年からガックリ気落ちしていたのですが、このような本を読むと元気が出てきます。

身体のあちこち、いろいろな問題が出てくるお年頃です。これからはまめに温泉につかり、リラックスした時間がもてたらいいなと思っています。

書評は苦手なので書きませんが、この本はおひとりさま推し&風呂好きの私には結構響いたものがあったので、私事含め(というか、そればかりですが)思うままつらつらと書いてみました。

日本の社会はまだ、「おひとりさま」中心ではありませんが、近い将来「おひとりさま」も少しは優遇されるような世の中になるのでしょうか。。。
このコロナ禍で、密はご法度になっていますから、それもあり得るかなと思うのですが。。。

いずれにしても、人間はひとりで生まれ、ひとり旅立つものです。「ひとり」は特別なことではなく、当たり前のこととして、ひとりを、そして時には誰かと、人生を楽しんでいけたらいいなと思っています。

ちなみに、この本にはもう一つのトピック「ひとり酒」がありますが、私は過去に病気もしているので、お酒はあまり飲みません。
相変わらず自分の興味のないことはスルーですが、お酒が好きな方なら、そちらも読めば楽しめるかと思います。

長くなってしまいましたが、最近繰り返し読んでいるお気に入りの本なので、ついつい饒舌になりました(笑)

これだけ一つの投稿が長いと、もう途中でどれだけの方がいなくなったことか。。。

また次回からは、お菓子のレビューに戻ります。



他にもこの温泉本も読みました。
同じ温泉トピックでも、こちらは実用性重視といった印象で、温泉旅を計画するときに役立ちそうです。