幼い頃、高島屋さんの包装紙が大好きでした。ピンクの薔薇の模様がすごく大人に思えました。
なによりも好きだったのは、その包装紙の匂いです。なぜかわかりませんが、今でもそんな匂いが大好きです。
きっと、その包装紙の中には、いつもお菓子があったせいなのだと思います(笑)
幼い頃の経験は、思った以上に後々の人生に影響を及ぼす気がします。
お菓子が好きなのも、いつも父が美味しいお菓子を買って食べせてくれたせいだと思います。趣味といういうよりは、習慣と言ってもいいものです。
今は亡き父を思い出す時、必ずそこにはお菓子があり、そのお菓子を包んでいた包装紙が思い浮かびます。
その包みを見ただけで、心躍るお菓子というものがありますが、その一つが人形町にある『重盛永信堂』さんの人形焼です。
子供の頃から大好きで、水天宮にいた父の友人宅を訪れるたび、必ず帰りにはこの店に寄り、たくさんの人形焼を買って帰りました。
私はいつも待ちきれず、助手席に座って一つ、二つと人形焼を摘んでいたものです。
今日、娘が近くまで行ったからと、お土産にたくさんの人形焼をお土産に持って帰ってきてくれました。
人形焼
こちらのお店の人形焼は、過去にもレビュー済みなので、今回は簡単に。
20個の人形焼が、ぎっしりと詰まっています。
なんとも心躍るビジュアル。。。
人形焼の形は七福神のお顔ですが、通常は福禄寿以外の6人の神様です。
福禄寿は鋳型にするのが難しい形状だからと、どこかで聞いたことがあります。
7人目の神様はお客さま。
そんな想いが込められているそうです。
皮はほんのりと甘さがあり、とても薄いお作りですが、その分あんこがたっぷり。
しっとりとした、水分量の多いこし餡が『重盛永信堂』さんの作る人形焼の大きな特徴の一つだと思います。
サラリとしていながらも、しっかりとした甘さとコクのあるこし餡。
ただ。。。
ずっと感じていたのですが、昔々に比べると、しっとり具合がかなりなくなっています。
今のままで、十分にしっとりとしているのですが、昔は極端にいえば、滴るほどにしっとりだったのです。
染み出したあんこが生地に染みを作り、容器にまで蜜の跡を残すくらい。。。
いまは、しっとりはしているけれど、裏面全体に染み出すほどではありません。
人形焼の裏側です。生地に染み出している感じが、わずかにあります。
創業が大正6年といいますから、代が変われば作り手も変わるため、長く続けていれば、その過程で変化もあるのだと思います。
ただ、『重盛永信堂』さんの人形焼を思い浮かべる時、やっぱり昔のしっとり(というより、びっしょり)な、甘い人形焼を思い浮かべてしまいます。
それが、思い出の味だからなのかもしれませんが。。。
個人的な感想を言えば、今はちょっと洗練された感じなのかなと思います。塩梅とも言えるのかもしれません。
お味を変えることなく、かつての極端さを、少しだけ控えて、塩梅を整えたお味。それが今の『重盛永信堂』さんの人形焼なのだと、勝手に自分で結論を出しました(笑)
ただ、誤解なきように。
本当に美味しくて、今も大好きです。この人形焼を目の前にすると、幾つもパクパクと食べ続けてしまいます。
つぼ焼
つぼの形をした皮に、粒あんが入っています。
人形焼に比べて、大きさがある分、生地はもう少ししっかり、カラリとしています。
あんこは人形焼と同じように水分多めですが、こちらは粒あんなので、もっともったりとしています。
こちらも皮はとっても薄めなので、あんこの量がすごい(笑)
粒あんの歯応えと濃厚さで、食べ応え満点です。
人形焼とお味の路線は同じですが、また違った美味しさを味わえます。
久しぶりに堪能いたしました。
親子3代に渡り食べ続けている『重盛永信堂』さんの人形焼。
やはり私にとっては、特別なお菓子です。
我が家の面々も大好きです。今回は人形焼20個、つぼ焼3個ですが、これも明日には綺麗さっぱりとなくなっているはずです。
私はすでに人形焼7個につぼ焼を1個食べました。また、夜寝る前にいくつか摘むはず(笑)
少しだけ変化は感じつつも、やっぱり大好きなお菓子です。
www.hw-frankie.com
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