夫がお休みの日に、家族で近所へ食事に行った時のこと。
なにを思ったのか、夫が前を歩く私と娘の写真を撮り、目的の寿司屋へ到着してからも、その写真を凝視していました。
「そんなもの見てないで、さっさと食べたいネタを注文なさいな!」
などと声をかけながら、私が旬の白イカに舌鼓を打っていると。。。
「もう、これ以上は痩せなくていいよ。今くらいがちょうどいい。ダイエットなんかせず、しっかり食べなさい」
いつになく真剣な顔で言う夫。
やだわ。この2ヶ月以上にも及ぶダイエットの結果が、後ろ姿にでてるってわけ⁉︎
頑張っているのに成果がなかなか出ずに、どうしたものかしら?と少しだけ悩んでいた私は、ちょっと嬉しい気持ちになりました。
そんな照れを隠すように、エンガワの握りを頬張り謙遜する私。
「え〜、もう少し痩せないと美しくないわよ。あなたは自分の太っちょ従姉妹たちと比べてない?うふっ!」
しかし、そんな私の言葉を無視している夫。その視線の先には娘が。。。
えっ?私のことじゃないのかっ⁉︎
「ちょっとその写真、もっとよく見せてみなさいよ‼︎」
と、無理やりスマホを奪いとってみると。。。
そこにはなにやら、だらりとした締まりのない後ろ姿をした中年女と、スラリとした美しい娘の姿が並んで写っていました。
そうなのです。夫が痩せなくていいと言っていたのは、私ではなく娘にだったのです。。。
なんという屈辱‼︎
十代のピチピチJK、しかも腰位置高い長身のハーフ娘と、アラフィフで生粋のジャパニーズを比べることは無謀ですが、なにげに頭にきます。
だから、後ろからは決して写真は撮るな‼︎って言ってるのよ!
改めて怒りがわいてきます。
こんなに私が怒っているのに、当の夫は何食わぬ顔です。それがさらに怒りを助長させるのです。
もし夫が、その場を取り繕うためだろうが、なにかしら言い訳でもすればまだ許せるものの、私に関してはノーコメントで、サーモンの握りばかり食べまくっているのです。
「おまえ、もう少し痩せた方がいいぞ!」
とか
「このままでいいよ」
など、なんでもいいのです。
しかし、夫にとっては私が太ろうがどうでもいいようなのです。
それよりもサーモンの方が大切なのです。
いちいち痩せろ!と言われれば、それはそれでムカッときますが、なにも言われないのも気に入りません。
「あなたさぁ、私に関してはなんにもないわけ?」
あまりにムカついたので、大トロの握りをバクバクと食べる私。
「ん〜、痩せてもないけどデブでもない。。。っていうか、後ろ姿に歳がでてるよ。くっくっくっ。。。」
笑っているではありませんか⁉︎
娘までが
「見せて!見せて!くっくっくっ。。。」
「だからさ、何度も言ってるわよね? 後ろ姿の写真はNGだって!」
「いや、フランキーちゃんが勝手に入ってきただけじゃん。ほら、よく見てごらん。フォーカス外れてるだろ?」
知るか⁉︎ 写ってるじゃないか!
「もうね、あなたのせいでせっかくの寿司が不味くなったわよ!」
そう言いながら、次々に寿司を平らげていく私。
「マミー、怒りに任せて食べるのはよくないよ。お寿司って、酢飯に砂糖もたくさん使うし、炭水化物もたくさん摂ることになるから太るんだよ」
そう言いながら、腹八分目で止める娘。なんと意思の強いこと!
そうなんです。私はストレスを食で発散させる女なのです。
「なんか、ババくさい(爆笑)」
どこでそんな日本語覚えてきたのだか、写真と寿司をツマミに上機嫌で笑うオヤジの腹だって、人のことは言えないと思いますがね。。。