お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

Sponsored Link

知らぬが花という事もある。専業主婦が働くことの楽しみを知ってしまった結果。

梅雨の晴れ間(曇り?)に集ってランチ会に勤しむ専業主婦。お天気がパッとしなくても、あいも変わらずパワフルに食べて喋りまくっています。

そこで話題になった本日のお題

「世の中知らない方が幸せなこともある!」

たとえば、欲。
美味しいものがそこにある事を知らなければ「食べたい!」という欲求も起こりません。

贅沢品を知らなければ「欲しい」という気持ちも起きません。

今の夫よりも素敵な人がいると知らなければ、浮気などもしないでしょう。

以前、何かの記事で書いた『アルジャーノンに花束を』という小説の主人公も人の悪意を理解する知能がなかった時は毎日が幸せでした。しかしある実験的手術により知能をつけた主人公は今まで知らなかった人々の自分を見る目や蔑みを知り苦悩することになります。

つまりは知らないでいた方が心穏やかに幸せを感じながら暮らせたのに。。。ということです。

仕事もそれと同じで、家事育児なんかよりもずっと刺激的で充実した時間を過ごせることを知らなければ、そのまま専業主婦生活で満足できたものを、半端にそんな蜜を吸ってしまったばかりに、気づいてしまうなんてこともあるのです。



去年、我々アラフィフ専業主婦仲間の間で、お仕事熱がメラメラと燃え上がった時期がありました。
「よし!仕事をしてみましょうよ!」
そう意気込み、それぞれパートながらも仕事を始めてみたのですが、様々な理由から未だに仕事を続けている人はほとんどいません。

自ら己の時代錯誤な考えが今の社会では通用しないと悟り、人様に迷惑がかかる前にと退いた者、家事と仕事との両立は無理だわと挫折した者、家族の反対に合い泣く泣く辞めた者、仕事は上手くいっていたけれど、急な病でリタイアした者。
そして私のように短期での契約満了に伴い、また元の生活に戻った者など、結局は専業主婦に返り咲いたのです。

最近そんなお友達と会うと、たとえ短い間でも仕事をした者と、しなかった者との間になんとなくこれまでとは違った空気があることに気づきました。

「仕事をしてる時は楽しかったわ。専業主婦でいるのが手持ち無沙汰なのよね」

これまでみんなでワイワイ、ガヤガヤとランチをする事が楽しくて仕方なかった面々がなんだかパッとしないわよねと、前ほどのウキウキした様子が感じられません。
その気持ちは私もよく分かりました。
なんとなく物足りなさを感じるのです。それでも人と会っている時はまだいいのですが、帰る道すがらなんとも言えない空虚を感じたりするのです。
私はなにしてるのかしら? と。

しかしずっと専業主婦だけしていたお友達は、たった短い間猫の手程度のパート仕事をしただけで何が変わるというの?と不思議そうです。

ここで思ったのが、知っているか知らないのかの違いという事なのです。
どんな仕事をどれだけしたかではなく、仕事をした時に感じる充実感や刺激のようなものを知っているかどうかということなのです。

まさに甘い蜜の味を知ってしまったあと、ただの水が味気なくつまらないものに感じるのと一緒です。

仕事を経験した面々も、きっとあのまま専業主婦のままでいたら、そんな思いを抱える事なく、相変わらず専業主婦としてのんびりとした生活を当たり前のように「幸せ」だと感じていられたことと思います。

知ってしまったからこそ、もう以前のように専業主婦としての生活に満足感を得られないのかもしれません。再び仕事をしてもしなくても、もう元には戻れないのです。

だからと言ってまた働こう!などと考えないところが我らが専業主婦である所以(笑)
こんなポンコツ中年女が働けば社会にご迷惑をかけるだけ。それならば消費活動という形で社会貢献するべきよね!と、笑い合っています。




仕事をしていれば「あ〜忙しい!少しはゆっくりしたいわ」などと思い、いざ専業主婦に戻ると「あ〜、なんだかパッとしないわね〜」となるのですから勝手なものです。

人は無いものねだりなのでしょうか。決して今を不幸に感じているわけではありません。むしろ能天気に暮らしていられる身の上は十分に幸福であると思っています。しかし、そんな安穏とした生活の中に、なにかピリッとしたスパイスが欲しくなるのです。
それは今の生活にほんの少しの変化を加えることで味わえることだと、一度ならず専業主婦生活から抜け出た人間はわかっているのです。

仕事をするという充実感を覚えなければ、そんなことも考えずに済んだのに!
そう思うと、改めて知らない方が幸せなことってあるものなのねぇ〜。。。と笑いと溜息の中、家路についた専業主婦なのでした。