日本では朝5時までに起床する人の割合は約1割だといいます。10人に一人が早起きをしているということです。
私も毎朝4時に起きる生活をかれこれ10年以上続けていますが、かつては昼夜逆転の超夜型人間でした。
当時を知る人からは、一体どうしちゃったのよ⁉︎ などと驚かれたりもしたものですが、早起きとはそんな大袈裟なものではありません。
私はなんでも真面目に取り組むようなタイプの人間ではありません。どちらかといえば自分には限りなく甘く、ゆるゆるな性格です。
そんな私でもできる早起き生活。実践してみれば、そこから生まれる時間がいかに貴重で、自分の生活にどれほどの変化をもたらすかがわかってきます。
典型的な夜型人間だった
早起き生活を始める前の私は、とにかく宵っ張り。
寝るのは早くても夜中の3時過ぎ、酷い時には外が明るくなる頃に就寝などということも珍しくありませんでした。
特に何をしているというわけでもありません。人と会って遊んだりすることもありましたが、ほとんど家で本を読んだりネットサーフィンに講じていたり、DVDを観ていたりと、ただ無駄に夜を過ごしていました。
この夜更かし癖は中学生の頃からの習慣なので、私にとっては夜更かしして当たり前。早く寝ようものならなんだか損をした気分にすらなったものです。
独身時代は一応仕事などもしていたので、一体私はいつ寝ていたの?と不思議に思えるほど、夜はずっと起きていたのです。
結婚して子供が産まれ、生活がガラリと変わった後も夜更かし癖は続いていました。この時期から専業主婦となったため、どんなに夜遅くまで起きていても、昼間に赤ちゃんと一緒にうとうと寝ればいいだけと、より一層夜更かしライフを満喫。まさに専業主婦にはうってつけの生活だわ!などと思っていたのです。
しかし、子供が幼稚園に上がる頃になると、次第にそんな生活がキツイと感じるようになってきました。
毎朝お弁当を作るために6時に起きることが負担に感じるようになったのです。それも当然のこと、朝方まで起きているのですから睡眠時間は3時間ほどです。30半ばもとうに過ぎた年齢ともなれば若い頃と同じような体力もありません。
たびたび寝坊をしては、慌てて飛び起きて手抜き弁当を作り、自分は着の身着のままで子供を幼稚園に送り届ける。。。そんな余裕のない生活でした。
それでも夜更かし癖をあらためようなどとは考えませんでした。なぜなら、「自分は完全なる夜型人間だ」「低血圧だから当然」などとと思っていたからです。
早起きを始めたきっかけ
そんな私が「この生活を変えたい!」と思ったのです。
それは自分だけのパーソナルタイムが十分でないことに気づいたからです。子供が産まれてからは、その「新しい生活」に夢中になっていたのであまり意識することはありませんでしたが、下の子が幼稚園に上がった頃から「自分だけの時間がもっと欲しい」と切実に思い始めてのです。
当時の我が家は外国人夫の仕事も忙しく、毎日夜遅くに帰ってくるという生活でした。たまに早く仕事が終わった時でも友達とお飲みに行ったりと結局帰宅が遅くなる。そんな毎日でした。
私が子供を寝かしつけた後、「さて、これからが私の自由時間だ!」と好きなことを始めても、夜中にいい気分で帰宅した夫がなんだかんだと話しかけてきて自分のしていることに集中できません。流石に朝方まで張り付かれることはありませんでしたが、それでも一人時間に邪魔が入ることには変わりません。昼間は子供達、子供達が寝た後は外国人夫と、私には一人で静かに過ごす時間がなかったのです。
人間には一人になる時間は必要なものです。誰にも気兼ねなく一人自由に伸び伸びと過ごす時間がなくては心のバランスが取れないものです。しかし生活の変化に伴いそれもままならなくなってきたことを感じました。
何事も我慢できない性分の私。少しでも不満があればその不満を取り除き、よりベターな環境を手に入れたいと行動を起こすことにしたのです。
夜型から朝型へ
どうしたら自分一人の時間を確保できるのだろう。。。もう必死に考えました。
専業主婦としては家のことを放棄してまで自分時間を得るのはフェアではありません。夫にも子供にも不都合がなく、生活を乱すことなくできる一人の時間はどこにある?と。
そこで発見したのが、家族みんなが寝ている時間です。同じ家に住んでいても別室で静かに眠っていてくれるなら、私は一人になることができます。外国人夫が遅くに帰ってきて就寝した後から子供たちが朝起きるまでの時間は、まさにゴーデンタイムです。
自分の睡眠時間も確保しつつ、そのゴールデンタイムに自分が活動する時間を当てはめるには「早起きしかない!」そう思ったのです。
最初は「こんな私には早起きなんて無理だわ」そう思いました。しかしパーソナルタイムを得ることも諦めきれません。
考えれば考えるほど早起きすることによるメリットの方が大きいように感じたのです。
当時の私は夜更かしのせいでとにかく朝起きるのが辛くてたまりませんでした。毎日3時間、よくて4時間にも満たない睡眠時間ではそれも当然です。
重たい頭と体に鞭打って起き上がり、それからはバタバタと慌てて子供のお弁当を作り幼稚園や学校へ行く支度をさせる始末。お弁当も手抜きの簡単なものになり、幼稚園への送迎も部屋着同然の姿で飛び出していくのです。今の私が見たら「なんてだらしない!」と軽蔑するくらいに余裕のない有様でした。
最低限、遅刻もさせることはありませんでしたし、手抜きとはいえ毎日手作りのお弁当を持たせていたので、自分の中ではセーフ!とでも思っていたのでしょう。しかしそれは専業主婦の母親としてはあくまでも最低限の事です。
物事最低限のとこだけができていればいいというわけではありません。よりベターなものを求めることで自分の生活を向上させることできるのです。しかし、当時の私はそんなことにも気づくこともありませんでした。
子供というのは常に親の姿を見ているものです。最低限のことをやっとの思いでアタフタとこなす姿を見せ続けていれば、お子供達も同じような人間になる可能性があります。反面教師にでもしてくれたらいいのですが、同じようになるのだけは避けたい。。。そう思いました。
きちんと生活する姿を見せて学ばせるのも親の仕事。子供が大きくなった時に、自分のだらしなさのせいで自信が持てなくなったら、それは私の責任だ。そう思ったのです。
こうして苦手な早起きを克服して、なんとか朝型生活に帰る努力をしてみよう!と決心したのでした。
早起きを勧める理由
早起き生活を始めて何よりもよかったことは、生活に精神的なゆとりができたことです。そのゆとりとは早起きによるメリットから得られたものです。
パーソナルタイム
まず、一番の目的であった「自分時間」の獲得です。
人は誰しも自分だけの時間、自分だけの場所が必要です。どんなに愛する家族といえど、四六時中誰かしらがべったりと自分のそばに張り付いていたら息苦しくなります。何をしていても脇から声をかけられたり、小さな子供でもいれば世話を焼いて欲しくて近寄ってきたり、なかなか一人にはさせてもらえません。とにかくお風呂にもトイレにも一人行くことができないのですから、これでは頭がおかしくなってしまいます。
こうなると自分のやりたいこと、集中したいことにも取り組めず、ストレスは貯まる一方。また、一人きりで過ごす時間がなければ気持ちをリフレッシュすることもできず、その結果判断力を誤ったり行動力が衰えたりと、物事がうまく行かなくなることすらあります。
かつての私も一人の時間が得られないことに苛立ち、時間をうまく回せないことにアタフタとし、生活そのものがやっつけ仕事のように過ぎていきました。ただ毎日をなんとか回しているだけという余裕のない生活でした。
家族がいるのだから、小さな子供がいるのだから仕方ない。周りの人たちもそんな風に言っていたせいでしょう、自分自身もそれが当たり前の生活であると信じていました。しかし、早起き生活を始めてから、それが間違いであったことに気づいたのです。それは自分のパーソナルタイムを持つことで気持ちの整理がしっかりできるようになり、自分の生活を客観的に省みることができたせいです。それと同時にきちんとした計画性を持ってすれば、より良い生活に変えることができる!そう考える余裕ができたのです。
寝坊知らず
これは子供のいる専業主婦にとっては大きなメリットです。
私は4時起きが習慣になっているので、多少寝坊したところで6時までには必ず目を覚ますでしょう。「でしょう」というのは早起き生活を始めてから一度も寝坊をしたことがないのです。ゆっくりと寝ていようと思っても、一度整った体内時計が目覚ましがわりになり、自然と同じ時間に目覚めるので。
朝、たっぷりと時間的余裕があると、家族の朝食も子供達のお弁当も焦らずに計画的に作ることができます。これは栄養バランスを考えたメニューを作ることや、食費の節約にも結びついてくるものです。
また、自分の身支度もしっかりとする時間が確保できます。髪のセットも化粧も服選びも満足いくまでできるので、いつも綺麗な姿で外出することができます。
集中力がアップ
早起き生活を実践するまでは、夜の方が何事もはかどると思っていました。ところがいざ朝の時間を体感すると、夜とは比較にならないほど頭がすっきりとして思考がより整理されていることに気づきました。
夜の方が静かなイメージがありますが、実は朝の方がずっと静かなのです。これは東京など都心に限ったことかもしれませんが、朝4時といえばまだ街が動き出す前で、外から聞こえてくるのは新聞配達の音くらい?
そんなシーンと静まり返った時間に自分の好きなことをして過ごすのはとても清々しい気持ちになります。心も体もスッキリと爽やかな気分に包まれているせいか、充実感とともに集中力も高まります。
私はブログもこの朝の一人時間に書いています。不思議なことに頭がスッキリとしている朝なら一気にスピーディーに書きあげることができるのです。スピードがすべてではありませんが、朝の方が集中力が高まるせいか、早く満足度の高いものが書けるのです。書き上げた記事は少し時間を置いてから読み返し、微調整してから好きな時に投稿します。気に入らなければ何度も違う時間に読み返しするなど朝のうちに書き上げてしまっていればゆっくりと時間をかけることができるのです。
こんな人は早起き生活に向いてる
散々「早起きは素晴らしい!」的なことを書いておきながらなんですが、誰にでも自分の考え方、サイクルに合った生活というものがあります。確かに早起き生活には多くのメリットがありおすすめですが、夜型生活をエンジョイしている人が無理に変える必要はないと思っています。
そこで、ご参考までにこんな人は早起き生活に向いている!と思うケースを考えてみました。
小さな子供のいるママ
これはかつての私ですね。もう10年以上も前になりますが、小さな子供が二人いたせいで自分の時間は全くないような状態でした。その為、自分のやりたいことのために夜更かしをし、体力的に精神的にかなり辛い思いをしていたものです。
そんな時一念発起で早起き生活を始めたところ、自分だけの時間を確保することができ、家族にとってもプラスとなる環境を作ることができました。子供がまだ起きる前、誰にも邪魔されることなく自分の時間を楽しむ。小さな子供のいるママだからこそ必要なことなのです。
静かな環境で勉強がしたい人
先ほども言った通り、朝はとても静かです。家族が寝静まっている部屋の中のみならず、早朝の街は独特の静けさがあるものです。この静けさこそが早起きの醍醐味であり、落ち着いて物事に取り組みたい人にとっては最高の環境なのです。
これは一度、実際に早起きをして体感していただかないとわからない感覚かもしれません。
何かをじっくりと考えたいとき、集中して勉強したいときなど、夜よりも朝の方が確実に頭が冴え、効率も良いものです。夜更かしをしている人は寝起きがボーッとスッキリしない状態なので想像するのが難しいかもしれませんが、早寝をしてスッキリと早く目覚めた朝は冴え冴えとしているものです。
専業主婦こそ早起き生活を!
家事子育てに追われて自分の時間がない。。。そう思っている方がいたら、早起き生活にトライしてみてはどうでしょうか。
やればキリのない家事、始終自分にまとわりついてきて離れない子供と1日24時間ともに過ごすのは大変なことです。私はこの状況は普通ではないと思っています。
何度も言いますが、どんな人間にもパーソナルタイムは絶対に必要なのです。しかし、主婦として、母としての役割を放棄するのは違うと思っています。
家族の生活など家庭をしっかり整えながらも、自分の息抜き、ガス抜きをする機会を作るのが専業主婦としては一番自然で無理のない形ではないでしょうか。
子供はいつまでも小さいわけではありません。徐々に主婦として余裕のある生活ができる日が必ずきます。しかし、いまその渦中にある人からすれば、先の見えない真っ暗なトンネルの中にあるような気分になる人もいるでしょう。
そんな人は、まず自分一人になれる時間を確保して見てください。たとえ朝に2時間でも、それは自分をリフレッシュさせるゴールデンタイムとなるはずです。