お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

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ブランク専業主婦が仕事復帰を考えた時にぶち当たる「ない、ない」の壁。

最近よく見かけるネット記事などに、
「専業主婦から華麗なる転身」なる仕事復帰ストーリーがあります。
長い人だと10年のブランクの後に、パートから正社員に昇格し、挙句に管理職までのし上がったなどという話もあります。
これを見て「私にも出来るかも⁉︎」「まだ可能性はあるわ!」と、奮起する人もいるでしょう。

私の友人にも、最近そんな野望を持ち始めている専業主婦が出てきました(笑)




世の中そんなに甘くない

以前、このブログにも書きましたが、私を含め友人数人が、仕事復帰熱に浮かされていた時期がありました。
詳しくは過去記事を読んで頂くとして、「世の中、そんなに甘くない」というのを思い知ったせいか、完全なる社会復帰をするために必要な事とはどんなことなのか、ある意味冷静にみることができるようになりました。
それは実際そこに身を置いてみないと分からなかったことで、ネットからは得られないような情報でした。

職種を選ばず、ただの暇つぶしか小金を稼ぐためにパートをする程度なら、大層な事を考えずともお仕事をすることは可能でしょう。
しかし、正社員になってまた昔のようにバリバリやりたい!となると話は別です。

もちろんブランクの長さや年齢によってなど個人差はあります。30代と50代ではそのブランクの長さも年齢の壁も雲泥の差です。

しかし、基本的な部分で「専業主婦」からの復帰を考えた時、共通してぶつかる壁というものが存在します。

それが「ないないの壁」です。

自信がない⁉︎

長いブランクのせいか、このセリフを聞くことも少なくありません。
もはや自分がどんな仕事ができるのか?
この歳で一から新しい仕事を始めることができるのか?
何十年も家庭に引っ込んでいると、働くという感覚がわからなくなります。

特に履歴書に書けるような立派な肩書きがなかった人は、余計にそう思うようです。
肩書きとは看板のようなもの。フリーランスな仕事をしてきた人には、自分を飾るものがないせいか、自信を持てないという傾向に陥りやすいのです。



看板がない

看板、言い換えればタイトル(肩書き)とも言えましょう。
どんなに古い看板で、もう何年もしまったままだったとしても、看板があるかないかでは大きく印象も違います。

A、◯◯商事に7年勤務
B、◯◯銀行に5年勤務
C、フリーのウェブデザイナー7年
D、バー経営10年

そんな経歴(看板)を持つ専業主婦がいたとしましょう。

長年のブランクの後に就職活動した際、自分の看板として掲げ、武器にできるのは、おそらくAとBくらいでしょう。
大手企業での勤務経験は、たとえ飾り物程度でも古くても看板になり得ます。
「こんなきちんとした所に就職していたのだから、ちゃんとした人なのだろう」
そのような判断を下される可能性が高いというわけです。

しかし、CやBは小さな個人商店です。たとえ当時の収入がAやBの何倍もあったとしても、十数年も前のお話ではなんの評価にもつながりません。

私も就職はせずに、個人商店型の働き方をしてきたので、それが後にどれだけ不利になるか身をもって感じています。

とにかく人よりも沢山稼げればいいわ!と、世間体をかなぐり捨てて、いくつか興味のある分野で個人商店を繰り広げていましたが、結婚し子供が出来たことで専業主婦となったため、すべて店じまいしました。
その結果、私には現在「かつてはこうでした」とお見せできるような看板が一つもないのです。

私はこんなことをやっていました。そうは言っても、誰も知らない個人商店では信用を得ることはできません。
若いのに就職もせずに好き勝手にふらふらとやっていたのか?と、そんな悪評価をつけられるのがオチです。

信用というものはとても重要なもので、看板となり得るタイトルを持っていない人間にとっては、その信用を獲得することは極めて難しいものです。特にどこかの企業に就職したいなどと考えた場合、判断基準となるのは、なにをしてきたかよりもどこで働いた事があるかです。

ほどよい経歴がない

ただし、ここでまた厄介なのは、立派過ぎる履歴も時には邪魔になることもあるということです。
私の友人などは、それはそれは華やかな経歴がありますが、前職ですごい仕事をやってきたような人などは、逆に「こんな凄いことをやっていた、年上のおばさんなんて使いづらくて無理だわ」
などと思われたのか、「我が社ではもったいない。もっと大手に行っては?」と、採用されなかったということもあったそうです。

50代からの再就職ともなれば、まず大手企業での仕事は無理と考えます。
そこで人手不足に喘ぐ中小企業に狙いをつけたものの、あまりに経歴が華やか過ぎて「うちではお願い出来るような仕事がないので。。。」とお断りされるといいます。

本人はどんな仕事でもやります!とやる気満々に挑んでも、会社側から使いづらいと判断されるというわけです。

その方曰く「キャリアウーマン路線に乗り、それなりの仕事をしているのなら、絶対に途中下車しないこと!」とだと言います。
ブランクの期間にもよりますが、子育てのためなどと専業主婦になり、一度その列車を降りてしまえば、まず同じ列車に乗り込むのは無理だそうです。

なんとも難しいものです。。。




スキルがない⁉︎

10年ひと昔というように、それは決して短い年月ではありません。
本人からしてみれば、子供のお尻を追いかけ回しているうちにあっという間に過ぎ去った10年ですが、世の中はものすごい速さで日々変わっています。

この10年をどう生きてきたか?何を得たか?
それがのちの社会復帰を左右する重要な時間になるのです。

サクセスストーリーに登場するような人は、ほとんどがその時間を無駄にしてはいません。
ただ家事と育児だけに追われているだけでなく、将来を見据えてなんらかの資格を取得したり、スキルを身につけるべく努力をしています。

アラフィフにとってのブランクは20年以上にも及びます。その間に仕事のやり方もツールも考え方すらも大きく変化しているのです。
そうした変化に対応する準備をしてこなかった専業主婦はなんの武器もないも同然です。

子育てをして人間として成長しました。
家事で効率性を学びました。

そんな戯言など、誰も聞いてはくれません。

TOEICで満点とりました。
医療事務の資格を取りました。
プログラミングを学びました。

そんな具体的なスキルを証明できるものがないとダメなのです。

体力がない⁉︎

連日の残業や飲み会、プライベートな遊びまで、なんでもござれでこなしていた若かりし頃の体力は、もはやありません。

たとえ30代の若き女性であっても、小さな子供を抱えて、いきなり専業主婦から兼業に変われば、当然やるべき事も増えます。
職場にいる間はいいとしても、朝は早くから起きて朝食の支度や家事に追われ子供を保育所へ送迎。仕事が終われば真っ先に子供のお迎えに向かい、帰宅すれば食事をさせ、お風呂に寝かしつけなど、ホッと腰を下ろす暇もないでしょう。

一方、子供の手がかからなくなった主婦などは、その分自分も歳をとっているはずです。
なんと言っても何十年も家でのんびりと専業主婦をやっていた人が、いきなり仕事を始めると、その生活サイクルに慣れるだけでも一苦労です。
子供の世話はなくとも、慣れない通勤や覚えることが沢山ある仕事に心身ともに疲弊してしまいます。

体も弱れば気も弱るで、体力のなさは気力を減退させるものです。
どんなに120%で仕事をしようと張り切っても、体がそれについてきてはくれません。

家族の理解がない⁉︎

これまで家のことは一手に引き受けてきた専業主婦が働きにでるということは、多少なりとも家族の生活に影響が出ます。

掃除洗濯など家事が行き届かなくなる、食事の内容もオール手作りから出来合いの惣菜がチラホラと食卓に並ぶようになると、家族から不満の顔がのぞくようになります。

私も20年に及ぶ専業主婦生活を中断し、ほんの数ヶ月だけフルタイムで働いてみましたが、家族は大変戸惑っていました。
いきなり家事分担を強いられ、食事も工夫のない質素なものとなり、デリバリーや外食も増えました。

我が家の外国人夫などは、女性が働くことに反対はしていませんでしたが、いざ自分の面倒を見てくれる人がいなくなったことで、大変な不便を感じたのでしょう。「もう働かずに家にいて下さい」と言っています。
子供達は「マミーの好きにしたらいいよ」と言ってはくれますが、高校生の娘などは「本音を言えば、家にいてくれた方がいいかなぁ。。」と言っています。

全ては、これまで私に丸投げしてきたことを、それぞれが自分で担わなければいけなくなった不便さからです。

家族の協力がなければ、思う存分フルタイムで働くのは、精神的にも肉体的にも大変なのです。



注)ただ、これらの考えは私自身、また私の周りにいる専業主婦たちが感じてきたこと、実際に体験したことをもとにした考えです。全ての専業主婦に当てはまるわけでもないと思いますので、あくまでも参考程度に読んでいただけたら思います。

それでも働くことはできる!

これらをしっかりと満たすことができるなら、本人の頑張り次第では、また昔のようにバリバリと働くこともできるかなと感じます。
しかし、20年ものブランク専業主婦にとっては、なかなか高いハードルです。

正直言えば、私などはきちんとした会社で社員として働くのはもう無理だと考えています。
若い人でさえ、非正規雇用から抜け出せない人が多い社会で、20年ものブランクがあるアラフィフがありつける仕事とは一体どんな仕事でしょう。。。

そんなことばかり言っていたら、もはやブランク専業主婦は働けないじゃない⁉︎という話になります。
散々ネガテイブなことを書いておきながらなんですが、働くことは十分に可能であると思っています。

職種や働き方を選ばなければ、パートタイマーとして働くことはできるからです。
所詮専業主婦の我々は、正社員になる必要はありません。

現実を知り、高望みする事なく、ただ「働く」ということにフォーカスすれば、できることは沢山あるはずです。

若い時同様に一流企業のオフィスでバリバリと働こうと思えば難しいかもしれませんが、小さな商店の雑用でも使い走りでも何でもやるわよ!と、そんな気持ちでいればお仕事復帰することは可能です。

実際に私の周りのアラフィフ専業主婦の中にも、過去のキャリアはすっぱり忘れて、作業系のパートなどで楽しく働いている主婦もいます。
プライドとのせめぎ合いなどもあるでしょうが、もはやプライドなどもっていたら何もできません。

とにかく「脱専業主婦」「仕事復帰」を目標に掲げ、その他のことには目を向けないことです。欲をかいてあれこれ求めてはいけません。

とにかく「外で働く」それが第一歩です。
そして二歩目、三歩目、どんな方向に向かうかは、本人次第と言えそうです。

私も最近「また働いてみたいわぁ」と思うようになってきました。
そこで色々と考えをまとめてみたわけですが、20年のブランクがあるアラフィフ、しかも「ないないの壁」だらけの専業主婦でも、ちょっと考え方をかえれば、なんとかなるかしらね。。。と思ったのでした。

www.hw-frankie.com
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