お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

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K POPや韓流にハマる中年のオタ活を見て、オタクになるにも資質が必要であることを知った。

私は韓国料理目当てによく新大久保へ出かけます。
最近はかつての賑わいを取り戻すどころか、あの頃以上にフィーバーしている新大久保。

そんな中、よく見かけるのが新大久保アイドルと呼ばれる男子たちの追っかけおばさんです。



まだメジャーにもなっていない、その辺のお兄ちゃんといったコリアンボーイズが営業活動として街を練り歩くそばを、夢中で追いかけ写真を撮ったり、声をかけたりしているおばさん達。

自分と同じような年齢の女達が、息を切らせ夢中でボーイズを追いかける様子に、なんとも理解できない思いが湧き上がる私。。。

古いところでは『冬のソナタ』で始まったヨン様ブーム。日本のおばさん達を虜にした韓流ブームの波は、いまやK POPというアーティスト界隈にも進出して久しいと言えますが、さらにはその波が新大久保にまで押し寄せてきているのです。

オタクになりたい!

韓流にしろ、K POPにしろ、なぜ韓国エンタメのファンはあれほど熱心なのでしょうか⁉︎

なにがおばさん達をあれほどまでに夢中にさせるのか⁉︎

「あなたも一度行けばハマるわよ!」

周りのK POP好きなお友達から、何度そう言われたことでしょうか。

私だってできることならハマれる何かが欲しい!

食べることとブログを書くこと以外、なんの趣味もない私は、常々夢中になれる趣味があればなぁ。。。と思っています。

オタク!と呼ばれるほど、一つのことに夢中になり、心血注いでそんな趣味を追いかけたいという欲求があります。
しかし、この歳になってもそんなものは見つかりません。

周りの声に従い、ライブにも何度か参戦してみましたが、歌やダンス上手だし、楽しいライブではあったけれど、「絶対にまた行きたい!」と強く思うほどの興味は持てませんでした。

オタ活するおばさん

以前、娘から頼まれて某グループのグッズ販売の列に並んだことがありました。
暇だったので、前後に並んでいたおばさん達と世間話をしたのですが、そのおばさん達は朝一番の新幹線に乗り、東北地方からわざわざ東京まで駆けつけたそうです。
私が「すごいわ〜」と驚いていると、「あら、あの人も、あそこの人も、みんな地方からよ!」
などというではありませんか⁉︎
どうやら「追っかけおばさん」同士、面識があるようです。

そのおばさん、数年前からK POPにハマり、以来ご贔屓のグループが来日するたびに日本中のツアーに参加、そんな中たくさんの友人ができたといいます。

よくよく話を聞けば、元は専業主婦だったそうです。最初は自分のお小遣いの許す範囲で近場で開催されるライブに出向き、グッズなども記念に少しだけ買って満足していたといいます。
それがいつしか「もっとライブ行って見たい!」「グッズも全部揃えたい!」挙句に「韓国のライブにも参戦したい!」との欲が出ててきたそうです。

しかし、そのようにあちこちのライブに行き、その上グッズを買い漁るとなるとお金が必要です。加えて交通費や宿泊費もかかってきます。これは普通の専業主婦の小遣いでまかないきれるものではありません。

そこでこの方、結婚以来初めてお仕事をすることにしたそうです。自分が稼いだお金なら誰からも文句を言われることなく、存分に好きなことにつぎ込めます。
最初は週に2、3日、1日5時間程度のパートだったそうですが、次第にそれでは足りなくなり、今ではほぼフルタイムでガッツリと稼いでいるそうです。

専業主婦であることに疑問を持つこともなく何十年も過ごしてきた人が、アラフィフになってからいきなり仕事を始めるのは、かなり大変なことだったのでは?
そう尋ねてみましたが、目的がはっきりしているからなんの苦労もないとキッパリ!
確かに体力的にはキツイと感じることもあるけれど、自分で稼いだお金なら、どれだけオタ活につぎ込もうが誰にも文句は言われないし、むしろ毎日が充実している!
と、そんな風におっしゃいます。

K POPというオタ活のおかげで、全国にお友達もでき、そんな方々との交流もまた楽しいらしいのです。
それまで子供関係のママ友か、近所のコミュニティーという小さな世界しか知らなかったのが、趣味を通じて多種多様な人と交流ができたことは何よりの財産とまで言い切ります。

もう話をしていても、気圧されてしまうほどの圧でした(笑)

こんなオタ活にハマる中年は女だけではありません。
中年のおじさんだって負けてはいないのです。

オタ活するおじさん

日本の地下アイドルに夢中になっているおじさん達がいることは知っていましたが、K POPにもコアなファンはいます。

以前、あるコンサート会場近くのカフェでたまたまそんな集団と隣り合わせたことがありました。

なんとも雰囲気が独特の集団で、最初はどんな集まりか?と思ったものの、オタク臭はプンプンに漂っていたから不思議です(笑)

そんなおじさん達の会話が時おり耳に入ってきます。

「俺たちがもっと上に押し上げてやらんと!」

そう使命感に燃え、熱く語るおじさん。

「でもさ、有名になったら俺らのことは忘れるだろうね。。。」

寂しそうに呟く別のおじさん。

「それでいいんだよ!そこまでが俺らの役目でいいじゃん!」

「だよな。◯◯ちゃんのためだものな!」

なんと純粋なことか。。。

耳に入ってくるグループ名もメンバーと思われる女の子の名前も、私にはサッパリわかりません。
話の内容から、まだあまり有名ではないマイナーグループのようです。

別に盗み聞きをしようと思ったわけではありません。あちらが勝手に隣で大騒ぎするので、耳に入ってしまっただけです。
それにしても、会話が面白くてついつい注意がそちらに向いてしまいます。

自分がこれまで接したことのない種類の人間が集団でいるという物珍しさ!
私って案外オタク気質な人が好きなようです。

そこにいたグループの全員が40代を過ぎていると思われる男性でした。
普通であれば教育費もかかる年頃の子供がいてもおかしくない年齢です。身なりを見てもごくごく普通。特別リッチでもプアーでもない、普通のおじさんです。
家族のいるサラリーマンなどは住宅ローンと子供の教育費でジリ貧。自分の小遣いすら雀の涙というご時世。
お金も時間もないはずのアラフォーおじさんのはずなのに、そこに集うは一体どんな方々なのでしょう。

傍らには買ったばかりと思われるグッズの入った大きな袋があります。
大きなアルバムのようなものをいくつも持っているのは、恐らくCDでしょう。
内容が同じCDを何枚も買うのは、握手券やハイタッチ券をゲットし、お目当ての女の子に会いに行くためでしょう。

プレゼントらしき物を持っている人も沢山います。
十代の若い女の子にアラフォーおじさんがどんなプレゼントを選んでいるのか、その中身が知りたくてたまりませんでしたが、まさか覗いてみるわけにも聞くわけにもいきません。
一人の男性などは、「メンバー全員分のプレゼントを用意したぜ!」と胸を張ります。

そこで「おおー!」とどよめくオタ友たち。。。

なんだかとても幸せそうです。。。



独身であれば好きにすればいいと思いますが、もし家庭のある人だったら、家族はどう思うのだろうか?と想像してしまいました。

経済的な面さえ問題なければ、自分の趣味にいくらお金をつぎ込もうが本人の自由ですが、生活に支障をきたすようなことになれば大問題です。私なら全てのグッズを一気断捨離するほど怒りにかられるでしょう。

この年齢、つまりアラフォー、アラフィフとは、昭和の時代でいえば「貢ぐ君」なのでしょうか?
振り向いてもらえないのも承知の上で、ティファニーのオープンハート(古い。。。)をプレゼントしちゃったりという年代⁉︎

今時の若い男子は女の子にお金を遣わないといいます。私の周りの若者に聞いても、女の子に喜んでお金をかける子はそういません。

おじさんたち、よく言えば太っ腹!ということなのでしょう。見返りを求めることなく、これと決めた相手に尽くす(お金をつぎ込む)。。。
側から見たら無駄遣いに見えますが、本人達にとったら「俺達のサポートがなきゃダメなんだよね!」といった気分なのかもしれません。

そして、なによりみんなでワイワイと共通の趣味をネタに集うのはきっと楽しいのでしょう。

「今度はソウルコン行きたいな」
(ソウルで行われるコンサート)

誰がが言ったと思ったら、

「いいね〜、次はみんなで行っちゃいますか⁉︎」
なんて大はしゃぎです(笑)

日本人の中年男性はお友達を作るのが下手なとど言われていますが、どこのお話でしょう⁉︎
仕事仲間と帰りに安酒飲む以外は、休みの日も家でゴロゴロなんておじさんも多い中、このオタクおじさん達の生き生きとしていることったら!

首からはみんなお揃いのペンライトを下げています。公式発売されたものを購入したに違いありません。
実に楽しそうに弾けています。。。

年齢の割に子供っぽい印象を受けましたが、好きなものを追いかけるのは悪いことではありません。
むしろ、この歳になってそこまで夢中になれることに出会えたのですから羨ましいとも言えます。

オタクの本質

なんのオタクでもいいから、自分の全てを捧げ尽くしてしまいたいくらい夢中になれる趣味が欲しい!
冗談抜きにそんな風に思ってしまいました。。。

KPOP男子に夢中のおばさんも、アイドルにハマったおじさんも、まさに自分の生活の全てを捧げているといってもおかしくないほどのハマりっぷりです。

どんなにライブに通っても、グッズにいくらお金を遣っても、どんな高価なプレゼントをあげたとしても、きっとほとんどの人はご贔屓のアーティストに振り向いてもらうことはできないでしょう。
それどころか、すぐそばで顔を一目見るのすらままならない相手かもしれないのです。

にも関わらず、一生懸命に働いて稼いだお金をそっくりつぎ込むのです。これはファンでない人からしたら理解できないことです。

しかし、私のこの考えはオタクから言わせれば、見当外れだといいます。
そもそも、オタクは見返りは求めないのが基本。
思い切り追いかけることで自己を満足させられればそれで御の字なのだそうです。

もしかしたら、オタクの本質とは「何かに夢中になる」ことではなく、「夢中になっている自分」という内面を見つめる行為なのではないか⁉︎
そんな風にも思えます。

オタ活の先にあるもの

とりわけ中年のオタ活は、アイドルに夢中になっているのも事実ではありますが、それと同じくらい共通の趣味を持った同士が集まり、共通の話題で盛り上がる。そんなきっかけと時間を買っているのでは?とも思えてきます。

学生の頃であれば学校のお友達や遊び仲間はいくらでもいました。しかし、社会人となり何十年も経てばおじさんは会社一辺倒、おばさんの世界はさらに小さくなります。特に専業主婦などはよほど積極的に表に出て行かない限り、交友関係は本当に限られたものとなります。

そんな何十年を経て、人生の折り返し地点にくると、その先の人生というものが透けて見えてくるものです。
若かりし頃に謳歌した輝かしい自由は、もはや取り戻すことはできません。肉体的な衰えを感じながら、残りの人生をどう生きていくのか、いやでも考え始める時期なのです。

ただ単にアイドルにハマっているように見えるおじさんもおばさんも、オタ活こそが生き甲斐となり、共に楽しむ仲間を得ることにも同時にハマっているのではないでしょうか。

若いアイドルに夢中になる先には、これからの人生をよりよく生きていこうとする中年の試みが隠れている気がしてなりません。

こう言ってしまっては、なんとも寂しい感じですが、当の本人達はノリノリで楽しそうなので、悲観したものではありません。
むしろ、幸せそうなのでそれは羨ましい限りです。



さて、そんな中年のオタ活ですが、若い女子から言わせれば、このような中年おばさん達、時にかなり邪魔な存在のようです。
年増の図々しさ故、ルール無視で人様の迷惑もかえりみず暴走したり、目に余る行動も多いと聞きました。

よりよい人生を生きるためとはいえ、度が過ぎるのはよくないようです。。。

オタクになれない理由

心底オタクになって、オタ活がしてみたい!と思う私ですが、ハマれないのですからお話になりません。

オタクになるためには、「ハマれる」という資質が必要なのです。

私が望んでいるにもかかわらず、このようなものにハマることができないのは、そもそも自分が属するコミュニティーというものを必要としていないからではないでしょうか。

昔から誰かと趣味を共有し合うより、ひとり気ままにぶらぶらしたい!と願っていました。今も、そして老後もそうやって生きていけたらと思っています。

そんな考えそのものが、そもそも「資質がない」ということになるのかもしれません。

協調性がないというのか、自分勝手というのか、自由にその時々思いついたことをしたい中年にとって、オタクという生き方はそぐわないものなのでしょう。

誠に残念ですが。。。