お菓子を巡る暮らしの雑記帖

アラフィフ主婦が美味しいお菓子とともに過ごす毎日を思いつくまま綴るブログ。食、家事育児、国際結婚、ブログなど。。。

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青山 『菓匠 菊家』。作家、向田邦子の愛した和菓子店の水羊羹と仮店舗情報。

青山の骨董通りに古くからある『菓匠 菊家』さん。
作家である向田邦子さんファンの間では、かなり有名なお店らしく、よくご年配の女性グループが見学やお買い物に来ているのを見かけました。

私も昭和生まれのアラフィフです。ファンとは言わないまでも、向田作品はエッセイから小説、そして脚本を手がけたドラマなどは観てきました。

子供の頃、夏の暑い盛りに向田邦子さんが異国の地で飛行機事故に遭われ亡くなられました。おぼろげながらそんなニュースが記憶に残っています。

そして、こちらの水羊羹を食べるたびに、その時のことを思い出すのです。





少し前のこと、骨董通りを歩いているとき、気づきました。

「あれ?『菊家』さん通った?なくなってしまった⁉︎」

暑くなり始めると、洋菓子より和菓子が無性に食べたくなるのですが、中でも水羊羹は夏だけの楽しみと自分で決めています。
帰りに水羊羹でもと考えていたのですが、お店がないのなら諦めるよりほかありません。。。

あ〜、残念。。。と思っていたところ、後日、近所に住むお友達から「仮店舗で営業してるわよ!」と教えて頂きました。

閉店ではなく、老朽化のために改築中とのこと。
なんだか嬉しくなってムシムシと暑いある平日の朝に行って参りました。

水羊羹

水羊羹は、この時ケース入りのものだけ用意されていたのでそちらを頂くことに。



ケースは10cm×10cm、高さ3cm。

そのままスプーンですくいながら、全て一人で食べてしまいたい衝動に駆られますが、いたしません(笑)

ちゃんとケースから出して切り分けて頂きます。
笹の葉がないと、ちょっと感じが出ませんが、そこは美味しさでカバー。

しっかりカチリとした佇まいのヒンヤリと冷たい水羊羹。
瑞々しさがありながらも、水水しくない(ペチャっとしていない)という、美しい水羊羹です。

その美しさそのまま、甘く口溶けよく、小豆の美味しさが楽しめる水羊羹です。

残ったら、このようにして冷蔵庫の中に入れておくと、即日でなくなります。
みんなパクッパクッと食べてしまうのです。


以前ほどの品揃えはありませんでしたが、明るい女将さんのおしゃべりは健在です。

お天気のお話、お菓子のお話、仮店舗で営業となった経緯など、他にお客様がいなかったこともあり、あれこれお話しを聞かせて下さいました。

美味しい和菓子はもちろんのこと、これも『菊家』さんを訪れる楽しみの一つであるという人も多いでしょう。

仮店舗情報

現在、同じ南青山で仮店舗営業している『菊家』さんですが、ちょっと分かりづらいかと思うので、写真を参考にしていただけたらと思います。

青山通りから(外苑前を背に渋谷方向から行くとすると)、左へ一本入った通りにAVEDAというライフスタイルショップがあります。その横の道を入っていくとすぐです。
目印はお向かいにある『ニコライバーグマン』。

こちらのフラワーショップのお向かいにある門の中に美容院があるので、こちらを入っていきます。

営業が始まると、門のところにこんな案内が出ています。

門を入って突き当たったら左手に。

奥に木のドアがあります。ここは『Amoh's Bar』というバーなのですが、こちらの店舗を借りてバーのカウンターにお菓子を並べ、臨時営業しています。

本当にここでいいの?
そう思ってしまいますが、木のドアを開けると女将が笑顔で出迎えてくれます。

どんな形でも美味しいお菓子を頂くことができるのは、この女将のお人柄と長きに渡り地元の方々にご贔屓にされてきた歴史の賜物なのだなと、この仮店舗を見て思ったのでした。。。

現在、営業時間等は不定期となっているようなので、来店の際は確認されてからがいいでしょう。

詳細はホームページの「お知らせ」をのぞいてみてくださいね。

home.h00.itscom.net

家族で過ごした専業主婦としての夏休みを卒業。自分のための夏を楽しむ。

先日、職場の上司に、

「夏休みはいつとるんですか?」

そう尋ねられました。

いつまでもお休みの申請がないので、わざわざ聞きにきてくれたらしいのです。それもそのはず、早い人は早々に夏休みをとっている時期です。

私が働いている職場では、パートタイマーであれば長期休暇の時期を問わず、事前に申告していれば比較的お休みしやすいという雰囲気があります。

そんな融通の利く環境だったため、私は休むのなら事前に申告は必要でも、休むつもりがなければそのまま働いていればいいと思っていたのです。

しかし、誰もが夏休みをとるのは当たり前となっているせいでしょう。7月から8月の時期となれば、会社側は業務に穴が開かないよう人員確保、スタッフのシフトを擦り合わせなければいけないのですね。
長い専業主婦生活のせいで、そんな当たり前のことにも気持ちが及びませんでした。。。





「私、お休みしませんので」

「でも、夏休みだし。。。」

「夏でも今年は休みません。契約通りのシフトと時間で変わらずお仕事します!」

「本当にそれでいいのですか?」

社員の方が不安そうに念を押してきます。

「はい。お仕事を始めたばかりですし、今年はそうするつもりでいましたので」

そう口では言いながら、、、

(この仕事のおかげで、ようやく主婦業から卒業できたんだから、休むなんてもったいなくてできないわよ!)

そう心の中で呟く私。

約20年にもわたる専業主婦生活に終止符を打つべく、数ヶ月前からお仕事を始めた私。
パートタイマーなのでお仕事は毎日というわけでもありません。無理なくいい塩梅にお仕事ができているせいか、お仕事へ行くのが楽しみでならないのです。

とはいえ、家族のいるに身の上です。世間一般からすれば、家族と過ごす夏休みは必要だと考えるのでしょう。

そのような配慮はありがたいことではありますが、私にとって今年は「休まない夏(お仕事をする)」にしたいのです。
つまり家族よりも自分のやりたいことだけをやる夏ということです。





夏休みとはいえ、成長した子供達はそれぞれ予定があります。大学生はお友達との遊びの予定やバイトが、そして高校生の方はといえば部活や受験に向けた夏期講習など、なかなか忙しい様子。

外国人夫はといえば、家族でどこか海外にでも旅行に行きたいようなのですが、子供達が大きくなってからというもの、私が事あるごとに、

「夏休み中なんて空港もどこもかしこも混んでるでしょ?そんな時期に行くのはいやよ。。。」

「そもそも、子供達の予定もあるし、私だってお仕事があるのよ!全員に都合のいい日を何日も確保できないわよ」

「一人でお里帰りでもしてきたら?」

などと、積極的に動かないので諦めているようです。旅の計画や手配は昔から私の役目で、外国人夫は自分では決してしないので、黙るしかないというわけです。

世間が夏休みといえど、家族の面倒を見る必要のない主婦は自由というわけです。

しかし、小さなお子さんを抱えるお母様方はそうもいきません。
専業主婦でも子供をどこに連れて行こうか?夏休みの課題は?宿題も見てあげなくちゃ!おまけに一日3食食べさせなくちゃ!と、普段よりも忙しくなります。

またお仕事をしている人などは、たとえパートタイマーであっても、なかなか苦労が多いようです。

学校が夏休みに入ってから、子供から電話がかかってくる人もいます。

家で一人でお留守番をしているのか、ちょこちょこと連絡してきます。

そのたびに「ちょっとごめんなさい」と、片手で受話器を隠しながら、

「だから、お昼は冷蔵庫にある炒飯をチンして食べなさい」

「朝、お金渡したでしょ?コンビニでもなんでも好きなもの買って!」

はたまた

「だから、夕方には帰るから、詳しい話は後で聞くから」

と、そんな感じで受話器を置いた後にため息。。。

そんな私よりも少しだけ若いお母様方を横目に、私が何時に帰宅しようがうんともすんとも言わない我が家の子供達も大きくなったものだわぁ。。。と思うのです。

こんなお母様方にとっては、やはり夏休みは家族とゆっくり過ごせる数少ないチャンスなのですね。





私自身、子供の頃に父や母と過ごした夏休みは思い出深いものです。
父が自由業だったため、シーズン問わずよく旅行には連れて行ってもらったものですが、何故か夏の記憶というのは鮮明です。

海で山で高原で、あらゆるところで過ごした夏の断片が今でも思い出されます。

我が家の子供達にもそんな思い出がたくさんあります。
夏休みともなれば、海外で長期休暇を過ごし、あちらこちらできうる限りのものを見せ、体験させてあげようと奔走していました。
専業主婦だったため、とにかく一年中子供をはじめ、家族中心の生活を送ってきたのです。

そんな忙しい夏を20年近く繰り返してきましたが、ようやくそんな夏休みからは卒業する時期がきました。

お仕事のある日は思い切り働いて、お休みの日には美味しいものを食べに行ったり、お買い物をしたり。
暑くて怠いときにはゴロゴロと一日中ソファーで過ごすこともできます。

さすがに掃除、洗濯など家事はやりますが、夏休みには当たり前だった三度三度の食事の支度など、やりたくなければやりません。

自分で作らずとも、一歩外へ出れば栄養満点でなおかつ美味しいものがよりどりみどりです。

幸いにして我が家の外国人夫は私に家事を強要することはありません。子供達も自分のことはなんでも自分でできる歳です。

「作りたくなければ外食する?」

「外に出るのが嫌ならケータリング?それとも何か買ってこようか?」

と、自分も作りたくなければ、みんなで楽をしよう!となるのです(笑)

「マミーはこれまで家族の世話を一生懸命やってくれたから、もう自由したらたらいいよ」

そんな言葉に主婦としての役割から解放された私は、家族第一の夏休みを卒業させていただき、自分のための夏を過ごすのです。

HIGASHIYA man 豆大福と本蕨、づんだ餅。季節を味わえる南青山で人気の和菓子店。

青山、表参道界隈には何軒か和菓子店があり、お気に入りのお菓子もあれこれあるので、おやつ探しには嬉しいところなのですが、あまりにも食べたいものが多くて、逆にどこのなにを食べようかしら?と困ってしまうこともしばしば。

先日も朝一で青山へ出向く用事があったのですが、散々迷った末にここのところご無沙汰だった『HIGASHIYA man』さんへ。

こちら11時開店なのですが、この日も開店直後からお客さんが次から次へと訪れていました。





この日のお目当ては豆大福です。
暑い夏になると洋菓子よりも餡子が食べたくなります。とくに水羊羹などあっさりとしたものが続いていたので、しっかりどっしりとしたお菓子を!ということで、またいつものように「こちらの豆大福はまだブログに登場してなかった?」と。

最近はお菓子選びの基準にも「ブログに登場したか否か」が微妙に影響しています(笑)

季節の生菓子

豆大福


一個 ¥270(税込)
消費期限 当日

豆大福は通年頂ける生菓子です。
大きなお口を開けば一口でパクリといけそうなお上品なサイズ。そして、見た目がとっても美しい、ビジュアル的にHIGASHIYA さんらしい豆大福です。

しかし、見た目だけではないのです。この豆大福はとにかく皮が美味しいのです。

もちっ!と、しっかりした皮でお餅の美味しさが際立っています。

柔らかいつぶし餡はどちらかといえば、あっさりとした味わい。そして強めの塩味がある赤えんどう豆は皮に劣らずしっかりとした歯ごたえがあります。
噛めば噛むほどに美味しさが寄せてくる、ちょっと面白くも美味しい豆大福です。

豆大福を食べるたびに私はいつも思うのです。

「豆大福の美味しさとは一つではない」と。

例えば私個人の好みで言えば、豆大福の豆を主役に頂くなら、湯島「つる瀬」さんの豆大福。


www.hw-frankie.com


餡子を堪能したいときは「群林堂」さんや「浅田家」さん。

www.hw-frankie.com
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そして、皮を楽しむのは、ここ『HIGASHIYA man』さん!

もちろん、「豆大福」としての美味しさが前提ですが、その上でどこに好みを置くか、その日の気分でどんな豆大福が頂きたいか?
そう考えると、豆大福選びというものがさらに楽しくなります。

これは『HIGASHIYA man』さんの豆大福を初めて頂いた時に感じた事で、以来そんな思いを持って豆大福を楽しんでいるのです。

豆大福LOVE。。。

本蕨


一個 ¥324(税込)
消費期限 当日

夏になると途端にわらび餅が食べたくなるのですが、こちらは通年です。

とにかくフルフルと柔らかいわらび餅です。皮はとっても薄いのですが、コシがありきな粉と黒糖の香ばしさが素晴らしい!
スッキリとしたこし餡とよく合っていて、本当に美味しいわらび餅です。

この「本蕨」は、我が家の長女が愛してやまないわらび餅です。他にも茗荷谷の「一幸庵」さんのものなどもお気に入りですが、そちらは我が家から遠いので、私が足を運ばない限りは口に入りません。

しかし、こちらはもっと気楽に立ち寄れるので、今回久し振りに持ち帰ったところ、「やっぱり絶品!またすぐ買ってきて!」と悶えていました(笑)

他に通年の生菓子として、薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)などもありました。

づんだ餅(夏)


一個 ¥324(税込)
消費期限 当日

こちらでは春夏秋冬、期間限定で季節の生菓子が用意されています。
訪れるたびに違ったお菓子にお目にかかれるのですが、この日はづんだ餅。もちろん私にとっては初めてのお菓子です。

わずかに粒を残したづんだ餡は甘さ控え目で枝豆の風味が濃厚。

餡と中の餅米の柔らかさがほぼ同じくらいに整えられているせいか、とても上品な食感で、これまで食べたことのあるづんだ餅の中でもダントツの美味しさでした。

改めて、HIGASHIYA さんのお菓子は「美味しいわ〜」と唸ってしまいました。

ちなみにこのづんだ餅は7/7〜8/7までの期間限定となっています。





人が4人も立てばいっぱいになってしまう4坪ほどの小さな店舗なので、この日もちょっとだけ外で待ちました。
遅くなるとお目当ての品がなくなってしまうこともあるせいでしょう。早い時間の方が人が多い気がします。

小さなお店ですが、とにかくこちらのお店では、生菓子以外にも様々な美味しそうなお菓子がたくさんあります。
あれこれ食べてみたいのは山々ですが、やはり消費期限を考えるといっぺんにというわけにもいかず、「次は絶対にあれ!」などと思いながらも、そんなお店が多すぎて次がいつになるのか。。。と、そんな感じで季節が変わってしまうのがいつものことなのですが、もう少し足繁く通いたいと改めて思ったお店です。

今回、豆大福な気分でしたが、近々また近隣へ出向く予定があるので、その時は「ひと口果子」をお持ち帰りしてこようと思います。

店舗情報

青山 HIGASHIYA man
東京都港区南青山3-17–14
03-5414-3881
営業時間 11:00〜19:00
(7.8月の金曜・土曜のみ20:00まで)
無休

銀座 HIGASHIYA GINZA
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル2F
03-3538-3230
営業時間 11:00〜19:00
※銀座店には茶房(ティーサロン)も併設されています。
茶房のラストオーダーは18:00
無休

丸の内 HIGASHIYA man marunouchi
東京都千代田区丸の内1-4-5
三菱UFJ信託銀行本店ビル1F
03-6259-1148
営業時間 11:00〜20:00
(茶房のラストオーダーは19:00)
無休

オンラインショップもありますよ。

www.higashiya.com


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麻布十番『紀文堂』人形焼で七福神巡りしようと思ったら、毘沙門天がいなかった。

人形焼が大好きです。お気に入りのお店のものでなくても、見つけるとついつい買ってしまいます。

とはいえ、人形町や浅草ならまだしも、都心部では和菓子屋さんは数あれど、人形焼との遭遇率はとっても低いのが残念です。





いつもは食べたくなると、わざわざ水天宮の『重盛永信堂』まで買いに行くことが断然多いのですが、こちらもありました!

今や手焼きワッフルで有名な麻布十番の『紀文堂』さんです。
先日、おやつにとワッフルを買ったのですが、久し振りに人形焼もお持ち帰りしてきました。

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七福神人形焼


10個入り ¥1,000

一つ一つの大きさが一口サイズの人形焼は、思ったよりもたくさん食べられてしまいます。
いつも10個もあれば十分だわと思うのですが、いざ食べ始めると「もっとたくさん買えばよかったわ。。。」と後悔。
そんなことばかり毎回繰り返しています(笑)


さて、肝心の中身はといえば、生地は適度な厚さがあり、北海道十勝産の小豆を使用したこし餡は割とあっさりしています。

人形焼って、とても縁起の良いお菓子という感じがします。七福神のふくよかなお顔を見ながらパクパクと食べるのも楽しみの一つで、一口ごとに福を招いてくれるような気にもなってきます。

んんん?お顔を並べてみたら、六人しかいません。七福神なのに。。。

さて、誰がいないのか?

恵比寿・弁財天


大黒天・布袋尊


寿老人・福禄寿

よーくみてみると、いないのは四天王の一柱である別名「多聞天」と呼ばれる融通招福の神様、毘沙門天でした。

こちらの人形焼では、この毘沙門天がいません。なにか意味はあるのかしら?
何故だろう?と調べてみたところ、どうやら深い意味はなさそうです。

人形焼を焼く型の数が六つで、たまたま図柄の出にくい毘沙門天を除いたようです。

七福神が全て揃わないのはちょっと寂しいですが、まぁ美味しく頂ければいいかなと思った次第。(笑)

七福神巡り

この『紀文堂』のある東京港区には七福神と宝船を祀る寺社が8箇所に点在しています。
頑張れば徒歩で回れるくらいの距離にあるので、麻布十番や六本木の美味しいスイーツなどを楽しみながら七福神巡りをするのも楽しそうです。

私は毘沙門天が祀られている氷川神社は年に一度は初詣でお詣りしますが、それ以外はよく知らないのです。
一度ゆっくりウォーキングしながら巡ってみたいなぁ。。と人形焼を頬張りながら思ったのでした。

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働く女性が子供を理由に仕事を欠勤、遅刻、早退することの理解について。

今日もムシムシと暑い一日でした。
ようやく梅雨明け?と思ったら、今度は台風?と、7月も終わろうというのに、なんともスッキリしないお天気が続いています。

こんな時期、体調を崩すのは更年期世代の我々だけではないようで、ここのところ会社でも欠勤する方がチラホラといたりします。

特に小さな子供を持つ社員、パートさんなどは、自分の不調はなんとか押しとどめて頑張っても、お子さんが病気になり出勤できないというケースも少なくはありません。

我が職場でも若いお母様方が何人かいますが、子供が熱を出したので病院へ行かなければならない、また仕事中に保育園など子供の預け先から連絡が入り、子供の具合が悪くなったのでお迎えに来てくださいなど、お休みや遅刻、早退を余儀なくされることがあります。
そのたびに「すみません。。。」と頭を下げている姿を見て、本当にお母さんとは大変なものだなぁ。。。と思います。





私が若い頃は、あからさまに「だから女と働くのは嫌なんだよ」などと言う男性が当たり前のようにいました。
確かに業務に支障をきたすというケースもあり、まだ未婚で子供のいる生活というものが全く想像できなかった私は、「だから女は」はさておき、「仕事に子供なんて理由にならないのに」などと思っていたものです。

私が子供を授かって以来、ずっと働かずに専業主婦をしてきたのも、そんな男性達の呟きを多く聞いてきたせいでもあります。
もちろん家事育児が思いのほか楽しく、外国人夫のサポートと子供を育てることを当面のミッションと自分で決めていたせいもありますが、心の何処かに「自分の家庭の事情など人様には関係ないこと。自分都合で人に迷惑をかけることを心苦しく思うのも面倒だなぁ」と、そんな思いもありました。

しかし、実際に自分が母親となり子育てを経験すると、そんな考えにも変化がでてきました。
単純に考えて、仕事と子供を天秤にかけて、子供を選ぶのは普通のことだと今更ながらにわかったからです。

子供の具合が悪ければ、それを放置して仕事に出かけられる母親は皆無でないでしょうが、ほとんどの母親は子供の身を案じて側にいることを選ぶはずです。
そこには子供に対する愛情というだけではなく、子供を産んだからには育てるという責任があるからです。

独身で若かった私には、そのあたりの気持ちというのが、理解できていなかったのですね。

いま、会社で周りを見渡すと、やはり男性の中にはそのあたりを理解してくれない人が多いのに少し驚いています。

昭和の時代ならまだしも、この夫婦共働きが当たり前となった令和の時代になっても、まだ子育ては母親の仕事であると暗黙の了解のようなものがあり、男性の意識もあまり変わっていないのでは?と感じています。

そんな男性ばかりではないでしょうが、実際に職場では、そんな思いを抱かせるような言葉を聞くことがあります。

「こう頻繁に休まれたり早退されるとなぁ。。。」

「子供のことじゃ仕方ないにしても、この忙しい時に困るよな。。。」

「小さい子を抱えてちゃ無理でしょ?もう次回の契約は見送るか?」

などと、本人のいないところでぶつぶつと文句を言っていたりする人もいます。

挙げ句の果てに私の背後に張り付いて、

「フランキーさんもそう思いませんか?」

「あの人がいない分、いつもあなたにしわ寄せが行ってしまって。。。」

などと、業務が滞るという自分の責任問題、一方で「子供が病気で。。。」と言われれば理解を示さなければいけないという気持ちの板挟みでイライラとするのか、私の後頭部に向けて愚痴ることしばしば。。。





もちろん気持ちはわかります。
滞りなく業務が進むように管理しなければいけない立場も、突然の穴埋めを他の人にお願いしなければいけない心苦しさも。

しかし、その一方で「何を今更。。。」と思います。
もちろん業務に穴を開けられるのは大変困ったことになるのはわかりますが、そもそも小さなお子さんを持つ人を雇用した時点で想定内のことでは?とも思うからです。

それが嫌なら、お子さんのいない方か私ような自由な身の上のおばさんを雇用すればよいことです。

しかし、誰でもいいというわけではないのですね。そもそもどんなにやる気があろうと、欠勤は決して致しません!と言ったところで、普通の会社は年寄りを雇用したがりません。

もちろん新規雇用する際、50過ぎた元専業主婦のおばさんよりも30代現役の若い人の方が仕事ができると判断するのは正しいことだと思っています。
だからこそ私のような人間(中年の元専業主婦)こそ、ピンチヒッターとして大いに役立てて欲しいと思うのです。

人と一台の車を走らせるというのは、そういうことではないでしょうか。
ハンドルを握る人、アクセルを踏む人、ブレーキをかける人など、必要なのは主要となる仕事だけではありません。
ウインカーをチカチカと点滅させたり、ミラーで全方向写したり、普段は出番がなくても雨の日にはワイパーを動かしたり、様々な役割があって初めて安全に車を動かすことができるのです。

私は会社という組織の中で働くのなら、普段はワイパーしか動かしてないけれど、アクセルを踏む人がいなければ、喜んでピンチヒッターをやるつもりでいます。
つまり、病気の子供の母親の代わりはできずとも、仕事の代わりはできる人がいるということです。

上司の男性は欠勤した方の「しわ寄せ」がくると言いますが、仕事がしたくてたまらない人間にとっては、本来なら自分がやらせてもらえない仕事をやらせてもらえるチャンスでもあります。

人が働く動機はそれぞれです。人によっては、他人の仕事までひっ被ることを快く思わない人もいるでしょう。
「同じ給料なのに、どうして私ばかりが大変な思いをしなきゃいけないの?」
というように。。。

ただ我々のように、子育ても終わり経済的にも安定した年代になると、働く動機とは単純に「お仕事がしたい!」という人が多いものです。

そんな人にとっては、「しわ寄せ」だろうが「穴埋め」だろうが、やる人がいないのなら、自分ができることはやらせてください!なのです。

「穴埋め大いに結構です!私にできる仕事があれば遠慮なくバンバン回して下さいな!」

誰かが欠勤し人手がたりなくなると、私はこんな風に張り切ってしまいます。

「なんでそんなにやる気出してるんですか?やっぱりフランキーさんって昭和だなぁ。。。」

などと苦笑されるのですが、働く女性に理解を示してくれないあなた方のほうがよほど昭和じゃないのさっ!と思います。





今の時代、仕事をしながらの家事育児は当たり前となっています。
それでもほとんどの家庭では家事も子育ても母親主導です。
それは決して悪いことではありません。女性はマルチタスクであると言われるように、多くのことを一度に処理する能力に長けています。
しかし、だからといって女性だってスーパーウーマンではないのです。一人で全てをマネージするのは物理的にも精神的にも無理なことです。

私はずっと専業主婦だったからこそ、たとえワンオペであっても家事育児全般を取り仕切ることができたのだと思っています。
その証拠に今はフルタイムでもないパートタイマー、しかも毎日お仕事をしているわけでなくても、専業主婦の時のようにはいきません。
これが週5日間フルタイムで働いているお母様であったらどうでしょう?

これは想像しただけで大変なことです。。。

そんな大変な思いをしてまで働くには、必ず理由があるはずです。
どんな理由かは人それぞれ違うと思いますし、それ自体は問題ではありません。
どんな目的で働こうが他人がとやかく言うことではありません。

ただ、人はそれぞれ事情を抱えながら生きているというのは理解しなければいけないことです。
その上で、お互い困ったことがあったときは、それぞれが自分ができることをするという相互扶助の気持ちがあってもいいのでは?と思うのです。

子供の病気だけではなく、自身の病気、親の介護など家族の問題を抱えているケースもあります。
時に他人には詳しい事情を話したくないということもあります。

子持ちの働くお母様方に限らず、誰でもお仕事を休むということはそれなりの理由があるはずです。
そんな時は、明日は我が身と考えて気持ちよく自分のできることはしたいものです。