所用で久しぶりに千駄木界隈に足を運びました。
このあたりに来るのは年に2、3回といったところですが、嬉しいのと同時に、ちょっと悩ましくもあります。
それは和菓子屋さんが沢山あること。
本当なら行きたいお店を全て回りたいところですが、行ったら最後、あれもこれもと食べきれないほど買い込んでしまう可能性大で血糖値が急上昇してしまいそうなので、1店舗か多くても2店舗が限界です。
前回訪れた際は、確か『荻野』さんだったでしょうか。。。
その前は『根津のたいやき』だったか『むさしや』さんだったか。。。
用事を済ませ、どうしたものかと悩んでいたところ、ポッと頭に浮かんだのが『一炉庵』さん。
「ちょっと上等なお菓子も食べたいし、甘納豆も食べたい!」
というわけで、今回はものすごく久しぶりに東大前の『一炉庵』さんまで足を延ばしてみました。
一炉庵
東大前駅から程近い場所にある、創業明治36年という老舗の和菓子屋さんです。
夏目漱石がご贔屓にしていたことでも知られています。
こちらではやはり上生菓子をいただきたいところ。
季節感のある生菓子を一年で400種類(2週間ごと15〜20種類)も取り揃えているといいます。
私もそう頻繁に行けるお店ではないのですが、確かにこれまで頂き物も含め、同じお菓子を食べた記憶はありません。
今回もものすごく久しぶり、数年ぶりの再訪でしたが、見たことのないお菓子ばかりでした。
繊細なお菓子ゆえ、温度や湿度などの影響も受けることから、地方発送などは一切していません。
ここにこなければ頂けないお菓子です。
椿餅
ちょうど季節ものの「椿餅」があったので、ほんのちょっぴりだけお持ち帰り。
きれいな椿の葉2枚に挟まれています。
ツヤツヤの柔らかい道明寺。
サラリとしたこし餡が包まれています。
とてもシンプルですが、それ故に美味しくて美しいお菓子です。
君しぐれ
美しい半円に鮮やかな黄色。
玉子の風味がかなり濃厚です。
ありがちなパサパサ感は一切なしで、そこはさすが一炉庵さんの君しぐれ。
しっとりとした餡は、どこか芋栗のようなポクポク感も感じられます。全体的に甘さは控えめで、そのビジュアルとは裏腹にとても慎しみ深い味わいです。
最近は和菓子屋さんでもクリスマスにちなんだお菓子を作るところが増えています。
こちら『一炉庵』さんでも、見つけました。
サンタクロース
なかなか整ったお顔立ち。
横顔もかなり凛々しく。
後ろ姿はなお美しい。。。
食べるのがもったいないなぁ。。。と思いながらも食べました。
美味しい。。。お帽子もお髭もお目目までしっかり餡子。細工が細かいです。
他の上生菓子と変わることない控えめな甘さと上品な味わいの和菓子なのでした。
和菓子屋さんでクリスマスのお菓子を買ったのは、実は初めてのことでした。
いつもは目にしても「ん〜。。。」と思ってしまうのですが、こちらのものならもう間違いないだろうと。
姿形は洋物でもそんなイメージから伝達される味覚を払拭するほどに、お味はしっかりと和菓子であると思って。。。
思った通りこのサンタクロースさん、しっかりと餡子の美味しさが味わえるお菓子でした。
この日、季節ものとしては『椿餅』の他に、白い蒸しどらやきも出ていました。
こちらのどら焼きもかなり評判がよいのですが、私はあまりどらやきには食指が動かないのでお見送りとしました。
「やはりここでは上生菓子だわ!」
と、内心甘納豆が本命?と行ったにも関わらず、そう思ったのでした(笑)
『一炉庵』さんを後にしたこの日、ぶらりと千駄木方面へ向かいました。
行き着く先はいわゆる「谷根千」と言われるエリア。
今では沢山のお洒落なお店が並んでいるようですが、メインエリアにはいまだに足を踏み入れたことがありません。目と鼻の先なのに。。。
最後にその地を訪れたのは、30年も前のことで、お菓子屋さんではなく飲み屋さんでした(笑)
今度こそは!と毎回思いつつも、いまの「谷根千」をいまだにきちんと見たことがないのです。
今回もまた千駄木界隈をうろうろしながらも結局は昔からある和菓子屋さんへ行ってしまいました。
本当にこのエリア、あまりに魅力的な和菓子屋さんがあるのでなかなか新規開拓とはいかないのですが、次回こそは!と、かたく心に誓ったのでした。