専業主婦という生き物

美味しいもの、美容、国際結婚、噂話、専業主婦についてなどを思いつくまま綴るブログ。

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バゲットの端っこは誰のもの?フランソワーズ・サガンと最高の贅沢「端っこ」争奪戦。

有名なフランス人作家にフランソワーズ・サガンという方がいます。今はもう故人ですが、18歳の時に書いた『悲しみよこんにちは』という作品は映画化もされているので、ご存知の方もいるかと思います。
彼女の書き残した作品のみならず、そのセンセーショナルな生き方でも知られた女流作家です。

私は十代の頃から今に至るまで、サガンの作品を読み続けているほど大好きで(とりわけ古い作品)、彼女の書いた作品は全て読みました。
どれもこれもスノッブな雰囲気が溢れていて、そのくせどこか心にチクチクと刺さり傷だらけになってしまうような危うさや繊細さを感じさせる、なんともおフランスチックな世界なのです。テレビのコマーシャル風に表現するなら、それはまるでコクのあるカプチーノのような感じとでも言いましょうか。。。芳醇で時にほろ苦く、それいて甘いという独特なサガンワールドが作品の中で繰り広げられているのです。


ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、りっぱな名をつけようか、私は迷う。


フランソワーズ・サガン
『悲しみよこんにちは』より


『悲しみよこんにちは』の冒頭で繰り出されるこの一文で、十代だった私は完全にノックアウトされたのでした。

そんなサガンの日本語翻訳を手がけていたのが、朝吹登水子さんという方です。
のちに翻訳者が変わった際、

「ああ、私があれほどまでに惹かれたのは、サガンというよりはサガン&朝吹登水子さんの紡ぎ出す文だったのだわ」

そう思えたほど、素晴らしい翻訳でした。
私はフランス語が全くわからないので、原文がどう翻訳されているのかは比較できませんが、それはそれは美しい文章なのですよ!




さて、いつもながら前置きが長くなりましたが、もう遥か昔にこの朝吹登水子さんのドキュメンタリーのようなものをテレビで観た事がありました。
軽井沢かどこかでフランス人の旦那様と暮らしていて、その食事風景を見たときのこと。
バゲットを買ってきた朝吹さんが、それを切りながら
「この一番端っこはご主人さまのものなの」
そう言っていたのです。
それまでは、バゲットの端っこなんて誰も欲しがらないと思っていた私。
「ええ⁉︎ フランス人にとって、端っこはそんな贅沢なものだったの⁉︎」
と、驚愕したものです。

しかし、気をつけて見ていると、我が家の外国人夫も、真っ先に端っこに手を伸ばしているではありませんか!
「そんなに端っこ好き?」
思わず呟いた私に
「なにを言っている!ここがバゲットの一番美味しいところじゃないか!」
そう、言うではありませんか。
おフランスのみならず、パンを主食とするお国の人にとって、まさにバゲットの端っこはご馳走だったというわけです。

そんな風に言われたら、なんだかとっても贅沢なものであるかのように思えてきて、いつの間にか私もバゲットの端っこを食べるようになっていました。確かに食べてみると、カリッと香ばしいその味と食感は特別なもののように感じられます。

いつもバゲットを切ると、左右の端っこを外国人夫と私、それぞれ一つずつ食べていました。
ところが、最近下の娘が「端っこの美味しさ」に目覚めてしまったのです。
私がバゲットを切り始めると、さっと端っこを掴んで間髪入れずに齧り始めるのです。
そうなると残るはもう一方の端っこ一つです。外国人夫が食べるのか、私が手にするか、お互いチラチラと相手の様子を伺いながら、端っこに狙いを定めます。

取ったり取られたりしながら、挙句の果てには年若い娘にまで争奪戦を持ちかける大人気ない夫(笑)
一層の事、星型のバゲットでも作ってくれれば、五つの端っこが出来るのになぁ。。。などと考えながら、今日も戦々恐々バゲットを切るのでした。

ちなみに私のお気に入りの「端っこ」は、メゾンカイザーのバゲットモンジュのものです。もう、スナックがわりにバリバリと食べたいくらい美味しいのです!

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